1997 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病動物を用いた網膜の機能変化と網膜症発症のメカニズムの解明
Project/Area Number |
09671781
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
吉田 晃敏 旭川医科大学, 医学部, 教授 (70125417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石子 智士 旭川医科大学, 医学部, 助手 (10250565)
小笠原 博宣 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00177106)
廣川 博之 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (30133838)
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Keywords | 糖尿病 / 動物 / 網膜症発症のメカニズム / 網膜血流量 |
Research Abstract |
1.ネコを用いたレーザードップラー眼底血流計システムの作製と稼働 レーザードップラー眼底血流計システムによるネコ網膜血流量の測定法を新たに開発した。これは網膜動静脈の血管径、血流速度、血流量を同時に測定するシステムで、CV値は5-8%と、高い再現性が得られた。当初は、ラット、ツパイ、チャイニーズハムスターを用いて、網膜血流量を測定する予定だったが、眼球サイズに測定の限界があり、実験計画を変更することとした。 2.ネコ網膜循環の生理的変化の検討 このシステムを用いて、酸素分圧による網膜循環の自己調節能を検討した。100%酸素吸入後に、網膜血流量は動脈で48%、静脈で43%減少した。10%酸素吸入後に、網膜血流量は動脈で63%、静脈で90%増加した。我々の新しいシステムで、ネコ網膜循環の生理的変化を鋭敏にとらえることが可能であった。 3.vascular endothelial growth factor(VEGF)とendothelin-1(ET-1)に対する網膜循環動態変化の検討 ネコにおいて血管新生因子であるVEGFと血管作動性物質であるET-1を硝子体注射し、それらの物質に対する網膜血流量の変化を検討した。VEGF投与により網膜血流量は動脈で32%、静脈で28%増加した。ET-1投与により網膜血流量は動脈で34%、静脈で38%減少した。 4.ラットを用いた血液網膜柵透過性の検討 vitreous fluorophotometryによるラットの血液網膜柵透過性算出の条件を検討した。fluorescein Naの投与量および測定時間は我々がすでに確立したツパイでの方法に準じて行なうことが可能であることが確認できた。本年度は計画の変更が強いられたので、来年度は一層の努力をしたい。
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