1998 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンE欠乏性網膜色素変性症のトランスジェニックマウスの作成,治療法の研究
Project/Area Number |
09671788
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
横田 隆徳 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90231688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内原 俊記 東京都, 神経科学総合研究所・神経病理, 研究員 (10223570)
稲葉 彰 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10282766)
井上 圭三 東京大学, 薬学部, 教授 (30072937)
水澤 英洋 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (30144091)
清澤 源弘 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (20169957)
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Keywords | ビタミンE / 網膜色素変性症 / α-トコフェロール / αTTP / 脊髄小脳変性症 |
Research Abstract |
1) α-TTP遺伝子ノックアウトマウスの作成 相同組み換えによりα-TTP遺伝子を欠損させたES細胞を宿主胚に注入し、偽妊娠マウスの子宮に移植してα-TTP遺伝子欠損のキメラマウスを作成した。次に、これらのキメラマウスの中でES細胞が性殖細胞へと分化した個体を野性型マウスと交配させることによりα-TTP遺伝子へテロ欠損マウスを得た。さらに、このα-TTP遺伝子へテロ欠損マウス同士を交配させついにα-TTP遺伝子ノックアウトマウスを完成した。 現在、α-TTP遺伝子型が+/+,+/-(ヘテロ),-/-(ホモ)の3群各群48匹を、餌がαトコフェロール(α-T)欠乏食を基礎にして、α-Tを加えない群、α-Tを加えた群、α-Tを過剰に加えた群、γトコフェロールを加えた群の4群に分け、合わせて12群を形成した。検索事項としてマウスの行動異常、体性感覚誘発電位、,網膜電図をモニターする予定で準備を進めている。さらにl-2か月ごとに各群2-4匹の網膜及び中枢神経の病理検索を行い発症の確認と病変分布、性状を検討する。 2) α-TTPの網膜、中枢神経系における発現部位の同定 正常ヒト組織、ラットにおいてNorthern blot法を施行し、網膜、小脳、脊髄にα-TTPの発現を確認した。後根神経節、末梢神経には発現していなかった。さらにin situ hybridizationを用いて小脳のバーグマングリアにα-TTPの局在発現を証明した。次に網膜におけるα-TTPの発現部位の検索したい。 3) α-TTP遺伝子変異患者の剖検検索 我々の経過観察していたH101Qのα-TTP遺伝子変異を持つ患者さんが不幸にして亡くなられ、剖検の機会を得た。中枢神経および網膜の病理検索を行い、後索、Purkinje細胞、外側膝状体、網膜視細胞外節内節の短縮、網膜色素細胞におけるリポフスチンの多量集積を認めた。
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