1997 Fiscal Year Annual Research Report
眼内における生体分解性高分子を用いた蛋白質及び遺伝子送達の試み
Project/Area Number |
09671794
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 英也 京都大学, 医学研究科, 助手 (50252440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (70191963)
桐生 純一 京都大学, 医学研究科, 助手 (80281096)
高木 均 京都大学, 医学研究科, 助手 (70283596)
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Keywords | 生体分解性高分子 / 蛋白質 / 遺伝子 / ゼラチン / マイクロスフェア / プラスミッド |
Research Abstract |
主として生体分解性高分子であるゼラチンを用いてサイトカイン、増殖因子などの蛋白質やプラスミッドなどの遺伝子を送達するシステムに関して研究を行った。 まず、蛋白質を送達するものとして、生体分解性高分子であるゼラチン(陰電荷)と塩基性線維芽細胞増殖因子(陽電荷)との間ポリイオンコンプレックスを形成させ、ゼラチンの分解とともに塩基性線維芽細胞増殖因子を放出させるシステムを完成させた。このシステムを利用して塩基性線維芽細胞増殖因子を含有したゼラチン・マイクロスフェアを家兎眼の網膜下に投与して脈絡膜血管新生モデルを作成した。また、塩基性線維芽細胞増殖因子を含有したゼラチン膜を家兎眼の角膜内に移植することにより角膜血管新生を引き起こすモデルを作成した。角膜血管新生モデルでは塩基性線維芽細胞増殖因子の容量依存性に血管新生が促進された。これらの脈絡膜血管新生および角膜血管新生モデルを用いて、放射線の血管新生に対する抑制効果を評価できた。 次に、遺伝子を送達するものとして、陽電荷ゼラチンとLacZ遺伝子を持つプラスミッドとの間にポリイオンコンプレックスを形成させた。それを培養網膜色素上皮細胞および線維芽細胞に投与し、遺伝子の発現を評価した。陽電荷ゼラチンとプラスミッドの複合体の方が、プラスミッド単独より遺伝子を効率よく送達することが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 木村英也 他: "家兎眼における脈絡膜血管新生モデル" 厚生省特定疾患、網膜脈絡膜萎縮症調査研究斑 平成8年度調査報告書. 52-54 (1997)
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[Publications] Kimura H et al: "Cationic gelatin as a gene-transfer vector" Invest Ophthalmol Vis Sci. (suppl). S1132 (1997)