1997 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチナーゼを用いた化学的硝子体切除術の開発
Project/Area Number |
09671798
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大路 正人 大阪大学, 医学部, 助手 (90252650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田野 保雄 大阪大学, 医学部, 教授 (80093433)
不二門 尚 大阪大学, 医学部, 講師 (50243233)
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Keywords | 化学的硝子体切除 / コンドロイチナーゼ / グリコサミノグリカン / ビアルロン酸 / コンドロイチン硫酸 |
Research Abstract |
硝子体中には硝子体の主成分であるヒアルロン酸以外にも、網膜と硝子体の接着に作用していると考えられているコンドロイチン硫酸などのグリコサミノグリカンが存在することが報告されている。今回の研究で化学的硝子体切除の可能性を検討するために、まず、コンドロイチナーゼABC(50U/50μl)を有色家兎の硝子体腔に注入し、40分後の網膜と硝子体に与える影響を検討した。コンドロイチナーゼABC注入眼では、肉眼的に硝子体の液化が観察されたが、コントロール眼(生理食塩水を同量注入)では、硝子体の明らかな液化は認められなかった。また、硝子体を牽引した場合に、コンドロイチナーゼABC注入眼では硝子体は網膜から容易に分離したが、コントロール眼では硝子体の牽引により網膜剥離が生じ、網膜と硝子体の接着力がコンドロイチナーゼABCにより減弱したことが確認できた。この結果より、コンドロイチナーゼABCは化学的硝子体切除と後部硝子体剥離の作成の両方に有効であることが判明した。 次に、硝子体腔に注入されたコンドロイチナーゼABCのグリコサミノグリカン分解への効果を定量的に検討するために、まず、グリコサミノグリカンの分解によって生じる2糖を定量する方法を検討し、サンプル(硝子体)をコンドロイチナーゼABCで徹底消化し、消化物をHPLCで分析する方法が定量的な分析に適していることが判明した。 網膜硝子体手術の成績向上のためには長期的には化学的硝子体切除の開発が重要であるが、短期的には既存の機械的硝子体手術の改良が重要である。そこで硝子体手術を効率よく安全に施行するための手術器具を2種類開発した。また、最近、医療用に応用が期待されているエルビウムヤグレーザーを網膜硝子体手術に応用し、その有効性を検討した。更には硝子体手術に必須である長期滞留ガスの利用の改善につながる方法を開発した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Masahito Ohji: "Sulfur Hex afluoride and Perfluore propane Do Not Escape from a Plastic Syringe closed with a Stapcock" American Journal of Ophthahmology. 123・5. 709-711 (1997)
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[Publications] John M Lewis: "An applicator-shaped scleral depressor for vitreoretinal Surgery" Ophthalmic Surgery and Lasers. 28・7. 603-604 (1997)
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[Publications] John M Lewis: "Diamond-dusted Silicone cannula for epiretinal membrane separation during Vitreous Surgery" American Journal of Ophthalmology. 124・4. 552-584 (1997)
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[Publications] Atsushi Kawasaki: "Subretinal Fluid Drainage with the Erbium : YAG Laser in Rabbit Eyes" Ophthalmic Surgery and Lasers. 28・12. 1011-1016 (1997)