1997 Fiscal Year Annual Research Report
培養網膜神経細胞と興奮毒、アポトーシスの関連についての神経生理学的検討
Project/Area Number |
09671801
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三嶋 弘 広島大学, 医学部, 教授 (20034100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
皆本 敦 広島大学, 医学部, 助手 (10253072)
広田 篤 広島大学, 附属病院, 助手 (10243560)
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Keywords | 培養網膜 / グルタミン酸 / PACAP / 神経細胞死 |
Research Abstract |
1.網膜の培養 生後3-5日目のウィスター系ラットから初代網膜神経細胞培養を作成した。培養神経細胞は、インキュベータ-内で8-13日間維持したものを使用した。 2.グルタミン酸神経毒性の検討 1mMのグルタミン酸を10分間処置し、その後グルタミン酸を含まない培地に交換し、24時間維持したときの神経細胞の生存率は約60%まで低下した。対象は95%だった。 3.グルタミン酸毒死に対するPACAP(pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide)の保護作用グルタミン酸と同時にPACAP(10nM-1uM)を負荷すると、グルタミン酸の神経毒性は用量依存性に減弱した。 4.PACAPの保護作用機序 A.3.に加え、PACAPレセプター拮抗薬であるPACAP6-38、またはprotein kinase A阻害薬であるH-89を同時に投与すると、いずれの場合もグルタミン酸毒性に対するPACAPの保護作用は拮抗された。 B.Fura-2を用いた細胞内カルシウムイオン動体の結果から、PACAPはグルタミン酸負荷によって生じる細胞内カルシウムイオン濃度の上昇に対して影響を及ぼさなかった。 C.培養神経細胞へのPACAPの負荷により、細胞内のMAP kinase活性が上昇した。この活性はH-89との同時投与により減弱した。
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