1997 Fiscal Year Annual Research Report
瘢痕性角結膜症に対する羊膜を用いた眼表面再建法の検討
Project/Area Number |
09671819
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
島崎 潤 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (40170930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 尚史 東京歯科大学, 歯学部, 講師
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Keywords | 線維芽細胞 / 結膜上皮 / 羊膜 / 成長因子 / 細胞増殖 / オキュラーサーフェス / 角結膜疾患 / ドライアイ |
Research Abstract |
1.組織学的検討 白色ウサギの結膜組織を切除した後、冷凍保存したヒト羊膜を強膜上に逢着して組織変化をみた。術後3日目には、羊膜は強膜上に生着していたが、結膜は再生途中であった。7日目には、再生結膜上皮が羊膜上に延び、一方で羊膜上皮細胞も残存していた。3週後には、再生結膜上皮は羊膜実質と接着しており、羊膜上皮細胞は消失していた。一部の組織には、羊膜周囲に細胞浸潤が認められた。 2.細胞生物学的検討 羊膜内のbFGF,HGF,TGF-bの存在について、免疫染色と,ELISA法による定量を行った。免疫染色により、bFGF,HGFは主として、羊膜上皮細胞内に認められ、TGF-β1、β2は、羊膜上皮、実質に瀰慢性に分布していた。ELISAにより、bFGF,HGF,TGF-β1,TGF-β2の羊膜内の濃度は、各々5.31±3.04,14.2±6.0,2.45±1.45、0.56±0.45ng/gであった。一方、絨毛膜内の濃度は、4.01±1.05,30.00±7.91、8.28±2.86、6.09±3.27ng/gであった。これら成長因子の濃度は、DMSO存在下での70日間の凍結保存により、17.7%(bFGF),23.5%(HGF),22.4%(TGF-β1)まで減少した。PI染色による羊膜上皮細胞のviabilityは、70日間の保存により、約80%の細胞で陽性(viability消失)であった。 3.培養 ホモジェナイズした羊膜を、培養した結膜上皮細胞(cell line)、および結膜下線維芽細胞の上清中に加えて、増殖速度を比較した。その結果、羊膜を加えることによって結膜上皮細胞の増殖は有意に阻害され、線維芽細胞の増殖は、逆に促進された。
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