1997 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障手術による線維芽細胞増殖の増殖因子中和単クローン抗体による抑制
Project/Area Number |
09671822
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
西川 克三 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10029960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 正道 金沢医科大学, 医学部, 助手 (70208966)
高橋 信夫 金沢医科大学, 総合医学研究所, 教授 (20006787)
竹内 郁登 金沢医科大学, 医学部, 講師 (70262623)
吉竹 佳の 金沢医科大学, 医学部, 講師 (00150764)
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Keywords | 緑内障 / 増殖因子 / 線維芽細胞 / 単クローン抗体 / 増殖抑制 / FGF |
Research Abstract |
緑内障濾過手術時に得られた組織片から、線維芽細胞を初代培養後植えついだcell lineを以下の実験に用いた。この培養線維芽細胞において塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)が発現していることを、すでに作製している特異的単クローン抗体を用いたRIAや免疫細胞染色法によって明らかにした。同抗体による染色では、主に細胞核が濃染され、核移行シグナルをもつ高分子量型bFGFの発現が示唆された。上皮増殖因子(EGF)に対する単クローン抗体による同様の実験では、EGFの産生は認められなかった。 同培養細胞の増殖は培地に添加したウシ胎児血清の濃度に依存した。低濃度のウシ胎児血清存在下でbFGFやEGFは増殖を促進した。自己の産生するbFGFのオートクリン機構による増殖促進の可能性については現在検討中である。 すでに作製しているbFGFに対す特異的単クローン抗体の中和活性をさらに検討した。ウサギの関節軟骨に欠損を与えると、その修復はbFGFの局所投与によって促進された。欠損部は初期に肉芽によっておおわれるが、その部位でbFGFのmRNAや蛋白質の強い発現が見られた。一方、局所にbFGFに対す特異的単クローン抗体を投与しておくと、欠損部が線維組織に覆われて、軟骨の再生は阻害された。抗体を投与した場合、その部位でbFGFの発現はより増強され、リバウンド現象と考えられた。これらの結果から、関節軟骨の再生にはbFGFが強く関与していることが示された。同時に、この単クローン抗体は強力な中和活性をin vivoでももつことが確認された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Otsuka: "Requirement of fibroblast growth factor signaling for regeneration of epiphyseal morphology in rabbit fullthikness defects of articular cartilage" Develop.Growth Differ.39. 143-156 (1997)
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[Publications] P.J.Dempsey: "Apical enrichment of human EGF precursor in MDCK cells involves preferential basolateral ectodomain cleavage sensitive to a metalloprotease inhibitor" J.Cell Biol.138. 747-758 (1997)
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[Publications] A.Yamakawa: "cDNA cloning and chromosomal mapping of genes encoding novel protein kinases termed PKU-a and PKU-b,which have nuclear localization signal" Gene. 202. 193-201 (1997)