1998 Fiscal Year Annual Research Report
Fecoflowmetryから見た直腸肛門疾患術後排便機能評価の試み
Project/Area Number |
09671827
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岩渕 眞 新潟大学, 医学部, 教授 (00018326)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 実 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (10251802)
|
Keywords | Fecoflowmetry / 直腸肛門疾患 / 術後排便機能評価 / 小児 |
Research Abstract |
小児消化器外科領域で直腸肛門疾患の頻度は高いものの術後排便機能不良で術後経過観察上、問題となること例も多かった。患児の排便機能をより客観的に評価することは重要なことではあるが従来の肛門内圧検査では似たような所見を呈しながら排便機能が異なる例も稀ではなかった。まとまった形で短時間で排便できる能力を排便機能を評価する上で極めて有用な指標と考え、便流の流量曲線に注目し模擬便(生食)の排出能をFECOFLOWMETRY(FFM)としてとらえ検討することとした。平成9年度は排便機能に個体差のある直腸肛門奇形術後例(7歳以上の年長児)に対し施行した。FFMにおける各種排泄のパラメーターを算出し病型や臨床スコアと対比しながら検討した。FFM上いくつかの排泄パターンに分類され臨床スコア高値で排便良好例では塊状型の排泄曲線を呈した。失禁群では肛門管静止圧に拘わらず最大排出流量が40ml/sec以下のことが多く排出曲線も平坦型や分節型を示すことが多かった。本法は排便機能評価上、有用である可能性が強く示唆されたので本年度(平成10年度)は小児直腸肛門外科症例でも頻度の高いヒルシュスプルング病(以下H病)術後遠隔期例に応用し評価を試みた。H病12例(7歳以上の年長児)の病型別内訳は直腸S状結腸型7例、超短型2例、全結腸型3例であった。模擬便最大流量Fmaxはケリーの臨床評価と良く相関していただけでなく、排便機能Good例では塊状型を示すことが多く、更にFair例では直腸肛門奇形術後例とと同様に排出曲線が全例、分節型を示していた。一方、本検査所見と従来の直腸肛門内圧検査所見との間には有意な対応は認められず、臨床評価と相関していたことより本法は臨床上、客観的に排便機能を評価する上でH病術後症例に対しても有用であることが判明した。
|