1998 Fiscal Year Annual Research Report
小児癌におけるp57/KIP2の発現と機能に関する研究
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09671830
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
福澤 正洋 日本大学, 医学部, 教授 (60165272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草深 竹志 大阪大学, 医学部, 助手 (70263267)
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Keywords | p57 / KIP2 / 神経芽腫 / Wilms腫瘍 / 肝芽腫 / 横紋筋肉腫 |
Research Abstract |
p57/KIP2はG1サイクリン依存性キナーゼインヒビターでありin vitroで細胞増殖を抑制する。遺伝子は11p15.5領域に存在し、IGF2やH19のように刷り込み遺伝子であることが判明しており、p57/KIP2と発癌抑制との関係が注目されている。これまでのところ小児癌での遺伝子変異はほとんど見いだされていないが、Wilms腫瘍でその発現が低下しているとの報告がある。そこで我々はWilms腫瘍を含む小児癌について、p57/KIP2の遺伝子発現をquantitative-PCR法を用いて検討し、更にその発現の発現抑制の機構を明らかにするために、同領域のLOH:Loss of HeterozygosityやLOI:Loss of Imprintingについて検討する。さらにこれまでに発癌との関係が示唆されている11p15.5領域内の2つの遺伝子、IGF2,H19について検索しp57/KIP2と比較検討することを目的とした。 まず、小児癌についてp57/KIP2の遺伝子発現をquantitative-PCR法を用いて検討した。対象症例の内訳はneuroblastoma(NB)15例、Hepatoblastoma(HB)16例、Rhabdomyosarcoma(RMS)11例、Wilms' tumor[](WT)12例である。mRNAを組織から抽出し、reverse transcriptaseでcDNAを合成し、Thermal cyclerにてPCR増幅する。cycle数を変化させて、template量とPCR増幅量がlinearとなる系を確立する。S14を同一反応内で増幅し、intemal controlとする。 その結果、p57の発現量はそれぞれの腫瘍において症例間でばらつきが認められた。低発現がNB14例中2例、HB14例中3例、WT12例中3例、RMS10例中3例に認められた。病期および予後との関連を検討した。NBでは関連が認められなかったが、低発現の2例は進行症例で予後不良であった。HB,WT,RMSでの検討ではp57発現と病期、予後との相関は認められなかった。更にこれら腫瘍におけるp57/KIP2の発現抑制の機構を明らかにするために、同領域のLOH、LOIについて検討したが、p57発現とLOH、LOIとの関連は明かではなかった。
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Research Products
(1 results)