1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671833
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高松 英夫 鹿児島大学, 医学部, 教授 (50142427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 政之 鹿児島大学, 医学部, 教授 (90136854)
田原 博幸 鹿児島大学, 医学部, 助手 (70236719)
野口 啓幸 鹿児島大学, 医学部, 講師 (80198580)
福重 隆彦 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (70218907)
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Keywords | 神経芽腫 / PNET / cadherin / catenin |
Research Abstract |
<目的>cadherinはカルシウム依存性の細胞間接着分子であり、細胞内のcateninと結合し接着機能を果たすが、これまで神経芽腫での研究報告は見られない.今回我々は神経芽腫に於けるcadherin,cateninのへ発現について培養細胞株を用いた実験を行った. <実験材料及び方法>実験には神経芽腫の培養細胞株5種類(SK-N-SH-,NB39,IMR32,SK-N-MC,NB1)とPNET1種類(Muraoka)を使用した.実験方法はcadherin,cateninの蛋白レベルでの解析にWestern blot法を用い、細胞内での局在部位を見るために免疫染色を行なった.また接着機能を分析するためのaggregation assay,cadherin,cateninの結合状態の分析するために免疫沈降法を行った. <結果>抗N-cadherin抗体でのWestern blotではSK-N-SH,NB39,IMR32でN-cadherinが発現していたが,SK-N-MC,NB1ではN-cadherinは発現せず,PNETのMuraokaではP-cadherinを発現していた.α,β,及びγ-cateninはN-またはP-cadherinを持つ4つの培養株とまだcadherinの見つかっていないSK-N-MCにて発現していた.しかし、NB1ではcateninの発現も見られなかった.aggregation assayではN-cadherinまたはP-cadherinを発現している4つの培養株でカルシウム存在下にて集塊を形成した.しかしSK-N-MCはカルシウム存在下でも集塊を形成しなかった.β-cateninによる免疫沈降法ではα-cateninと120K.D.の分子が共沈しており,この120K.D.分子はcadherinである可能性が示唆sれた. <結語>神経芽腫の内SK-N-SH,NB39,IMR32にはN-cadherinが発現し,その接着機能も有した.しかしPNETのMuraokaは神経芽腫と同様に神経系細胞より発生するにもかかわらずN-cadherinではなくP-cadherinが発現しておりその発生及び分化の過程が興味深い.SK-N-MCには3種類のcateninは存在しcadherinの存在を示唆sれるもののその接着機能は微弱,またはその存在が不安定である可能性を示した.NB1はcadherin,cateninを発現しない細胞株であると思われた.(平成9年厚生省班会議にて発表)
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