1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671835
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Research Institution | NARA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
金廣 裕道 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (30204580)
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Keywords | 小腸移植 / 拒絶反応 / p38MAPK |
Research Abstract |
【平成11年度】 (方法) 1.ドナーとして体重200gのBN(RT1^n)ラット,レシピエントとして体重300gのLewis(RT1^1)ラットを用いた.BN-Lewisの組み合せはMHC incompatibleである. 2.小腸移植の方法:ドナー小腸は開腹後,大動脈より灌流後,回腸を大動脈カフと門脈を付けて摘出する.レシピエントの小腸は温存した異所性小腸移植のモデルを検討した.レシピエントは開腹後に腎摘出し,腎動脈と腎静脈にグラフト大動脈と門脈を再建した.腸管はグラフト回腸を両側ストーマとした.本年は、抗TNF-α抗体をレシピエントに投与しその効果を検討した.移植7日目にグラフト小腸を摘出し,各群のapoptosis cell,p38免疫染色,p38-western blottingの結果を比較した. (結果) 1.抗TNF-α抗体投与群は無処置群の組織所見と比較し,拒絶反応スコアは低下していた. 2.アポトーシス細胞は同系移植群では殆ど検出されなかった.一方,無処置群のアポトーシス細胞は9.4±3.6/10 HPFであったが,抗TNF-α抗体投与群では,4.3±1.5/10 HPFと減少していた. 3.p38免疫染色においては各群に差は無かったが,リン酸化p38免疫染色の検討では,抗TNF-α抗体投与群では無処置群と比べて陽性細胞数は減少していた.また,リン酸化p38-western blottingにおいても同様の結果であった. (まとめ) 小腸移植において抗TNF-α抗体単独投与では完全に拒絶反応は抑制されなかったが,拒絶反応の機序において,TNF-αとp38 mitogen-activated protein kinaseを介したアポトーシス誘導の可能性が示唆された.
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