1998 Fiscal Year Annual Research Report
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09671838
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森川 康英 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90124958)
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Keywords | 内視鏡下手術 / 胎児手術 / 先天性横隔膜ヘルニア / 気管結紮 / KGF / KGF-r / SP-C / 低形成肺 |
Research Abstract |
1. 大動物による胎仔内視鏡手術 子宮切開による気管閉鎖実験3例のうち1例は術後48時間で母体死亡し、他の2例は48時間後に胎児死亡となった。子宮内視鏡手術を行なった8例のうち7例に気管クリッピングに成功した。クリッピングを行なった7例の母体は速やかに回復したが、4例は48時間後、3例は72時間後に胎仔を流産した。気管結紮により胎仔の肺は48時間後に同胞の約2倍の重量となった。(50gvs28g)2例ではcllpによる気管の損傷がみられ、48-72時間後の胎仔肺は同胞に比して縮小した。エコーガイドによる気管閉鎖群のうち日齢120日の胎仔では術後120時間の子宮内生存が得られたが、90日齢の一例は処置後48時間で流産された。超音波エコーガイドによる気管穿刺および硬化剤の注入は処置後の生存期間の延長をもたらした。(術後120時間子宮内生存)胎盤の而流維持と子宮の収縮を克服することが胎児内視鏡手術を安全なmoclalltyとして確立するために今後必要であると考えられた。 2. 胎仔疾患モデルの作成と成長因子の発現に関する検討 方法)妊娠9.5日(term:22日)のSDラット(n=4)にnltrofen100mgを経口投与して胎生20日にCDHの有無を検討した結果、45胎仔中31胎仔にCDHが認められた。(右側25例、左側6)正常胎仔肺、CDHラットの患側肺および健側肺(胎生20日)を採取後ただちに凍結し-80℃にて保存し、凍結肺組織よりRNAを抽出しRT-PCRを行ない、KGF,KGF-rおよびSP-Cの発現について検討を行い以下の結果を得た。 1. 胎生20日のラット肺組織においてKGF.KGFrおよびSP-Cの発現をRT-PCRにより確認した。 2. nltrofenによりCDHをSDラットで作製することが出来た。 3. nltrofen投与をうけたCDH(-)群ではRT-PCRで見るかぎりKGF,KGFrおよびSP-Cの発現は対照と差が見られない。 4. nltrofen投与による左CDHの患側肺ではKGFrおよびSP-Cの発現は対照と同等であったが,KGFの発現は低下していた。
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