1997 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性細菌のLPS刺激によるB細胞内シグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
09671851
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 重信 大阪大学, 歯学部, 助教授 (10177917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 重忠 大阪大学, 歯学部, 講師 (50273694)
浜田 茂幸 大阪大学, 歯学部, 教授 (60028777)
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Keywords | 歯周病原性細菌 / LPS / マウス / B細胞 / シグナル伝達 / チロシンリン酸化反応 |
Research Abstract |
本研究では,歯周病原性細菌のLPS刺激によるB細胞内シグナル伝達機構の解明を目的として,我々がこれまでに報告したPorphyromonas gingivalisのLPS刺激によって誘導されるチロシンリン酸化タンパク(p26.0/p24.8)を指標に,種々の歯周病原性細菌のLPSによるマウスB細胞内チロシンリン酸化反応の誘導について検討する.本年度は,研究実施計画通り,まず種々の歯周病原性細菌のLPSの分離・精製を行った.用いた菌株は,P.gingivalis381株,Prevotella intermedia ATCC25611株,Eikenella corrodens1073株,Actinobacillus actinomycetemcomitans Y4株で,いずれの精製LPS標品についても來雑タンパクの混入はほとんどないこと(<5%),生物学的活性と特異性を有することを確認した.各精製LPS標品のB細胞内チロシンリン酸化反応はC3H/HeNおよびC3H/HeJマウス脾臓B細胞を用いて検討した.その結果,C3H/HeNマウスB細胞では,今回用いたいずれの歯周病原性細菌のLPS刺激によっても,特異的にチロシン残基がリン酸化される分子量26.0kDaおよび24.8kDaの基質タンパクがB細胞内に誘導されることが明らかとなった.一方,C3H/HeJマウスB細胞では,P.gingivalisのLPSおよびそのlipid A部分の構造が類似するP.intermediaのLPSではp26.0/p24.8が認められたが,他のLPS標品ではp26.0/p24.8の誘導は認められなかった.これら成績より,LPS刺激後のマウスのB細胞チロシンリン酸化反応の誘導にはLPSのlipid A部分が深く関与することが強く示唆されたため,精製lipid A標品および合成lipid A標品を用いて現在詳細な検討を行っている.次年度にはさらに,研究実施計画通り,種々の細胞内シグナル伝達系阻害剤による影響および増殖活性との関連性についても検討を行う予定である.
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