1998 Fiscal Year Annual Research Report
揮発性脂肪酸により誘導されるT細胞アポトーシスの発現機構の解析
Project/Area Number |
09671872
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
落合 智子 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (20130594)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 邦康 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (50095444)
|
Keywords | アポトーシス / T細胞 / 揮発性脂肪酸 / bci-2 / BAX / FAS / P53 / Caspase |
Research Abstract |
1、 酪酸誘導アポトーシスにおけるアポトーシス関連蛋白(bcl-2,Bax,Fas及びFasリガンド)の関与をWestern blotting解析したところ、bcl-2発現の低下が認められ更にbcl-2リン酸化体も消失していた。一方Bax,Fas及びFasリガンドの発現に変化は認めらねなかった。 2、 酪酸透導アポトーシスにおけるp53遺伝子の関与を明らかにするため、p53欠損マウスを用いて解析を行った。酪酸はp53欠損マウスから調整した胸腺細胞、脾臓T細胞及びB細胞に対し濃度依存的及び経時的にアポトーシスを誘導し、野生型マウスとの間に有為差は認められなかった。 3、 PBMC及びJurkat細胞を酪酸と共に培養後、細胞表層ホスファチジルセリン(PS)の表出をFACS解析した。いずれの細胞に対してもPS表出が認められ、酪酸は経時的にアポトーシス初期細胞及びアポトーシス後期細胞いずれをも増加させていることが判明した。 4、 酪酸で誘導されるPBMC及びJurkat細胞のアポトーシスがCaspaseカスケードの活性化を伴うものか否か検討した。いずれの細胞においてもCaspase1及びCaspase8活性の増加は認められないものの、Caspase3及びCaspase6活性は酪酸添加により経時的な増加が認められた。 以上の結果から、酪酸はアポトーシスを抑制する遺伝子bcl-2の発現を抑制することによりアポトーシスを遂行するものと思われるが、アポトーシスを促進する遺伝子Baxの発現は増強作用を示さなかった。また酪酸誘導アポトーシスにおいて、Fas-Fasリガンド系並びにp53の関与は少ないものと示唆された。bcl-2ファミリーがチトクロムcをミトコンドリアに留めておくことによりCaspaseの活性化を抑制することが報告されており、本研究から酪酸はbcl-2を抑制することによりCaspase3及び6を活性化しているものと考えられる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Tomoko Kurita-Ochiai: "Volatile fatty acids, metabolic by-product of periodontopathic bacteria induces apoptosis in WEH12-31 and RAJI Blymphoma cells and Splenic Bcells." Infection and Immunity. Vol.66. 2587-2594 (1998)
-
[Publications] Tomoko Kurita-Ochiai: "Lipopolysaccharide stimulates butyric acid-induced apoptosis in human peripheral blood mononuclear cells." Infection and Immunity. Vol.67. 22-29 (1999)