1998 Fiscal Year Annual Research Report
耳下腺腺房細胞でのβ作動薬によるK^+チャネルの調節とアミラーゼの放出との関連
Project/Area Number |
09671891
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 定秋 大阪大学, 歯学部, 講師 (00135732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 高章 大阪大学, 歯学部・附属病院, 医員
佐伯 万騎男 大阪大学, 歯学部, 助手 (30273692)
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Keywords | アミラーゼ / カリウムチャネル / 耳下腺 / β作動薬 / リン酸化 |
Research Abstract |
単離ラット耳下腺腺房細胞を用いて、アミラーゼ分泌におけるカリウムチャネルの関与およびその作用機序について検討を行った。β受容体刺激薬のイソプロテレノールによるアミラーゼ分泌はカルシウム依存性カリウムチャネルブロッカーのアパミン、カリブドトキシンにより促進され、カリウムイオノフォアのバリノマイシンで阻害された。一方、ムスカリン受容体刺激薬のカルバコールによるアミラーゼ分泌は、これらの薬物により影響を受けなかった。このことからβ受容体刺激によるアミラーゼ分泌においてカルシウム依存性カリウムチャネルの開口による分泌抑制、遮断による分泌促進という調節機構が存在することが示唆された。イソプロテレノールとカリウムチャネルブロッカーのTEAによるアミラーゼの分泌促進に伴い57kDaの蛋白のリン酸化が認められた。イソプロテレノールによるアミラーゼの分泌は、プロテインキナーゼA阻害薬のH-8により阻害されたが、プロテインキナーゼc阻害薬のスタウロスポリン、あるいはチロシンキナーゼ阻害薬のゲニステインでは影響されなかった。これらの結果より57kDaの蛋白のプロテインキナーゼAによるリン酸化がアミラーゼ分泌に関与していることが示唆された。また、フォスファターゼを阻害するフッ化ナトリウム、オカダ酸、フォスファターゼ2Bを選択的に阻害するシクロスポリンAは、いずれもイソプロテレノールによるアミラーゼの分泌を抑制したが、チロシンフォスファターゼを阻害するオルトバナジン酸は効果を示さなかった。これらの結果からリン酸化、脱リン酸化過程がアミラーゼ分泌において重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)