1998 Fiscal Year Annual Research Report
副腎髄質に由来するオピオイドペプチドの機能-ストレス,免疫との関連-
Project/Area Number |
09671895
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
今井 康夫 広島大学, 歯学部, 助手 (30271068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土肥 敏博 広島大学, 歯学部, 教授 (00034182)
北山 滋雄 広島大学, 歯学部, 助教授 (80177873)
森田 克也 広島大学, 歯学部, 講師 (10116684)
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Keywords | 副腎髄質 / オピオイド / ストレス / クロマフィン細胞 / カテコールアミン / メチオニン・エンケファリン / アセチルコリン / ダイノルフィン |
Research Abstract |
交感神経興奮時に副腎髄質は血中にカテコールアミンとオピオイドペプチドを内分泌することが知られている.前年度,我々はアセチルコリンあるいはニコチンで刺激した培養副腎髄質クロマフィン細胞がカテコールアミンおよびオピオイドペプチドの一種であるメチオニン・エンケファリンを遊離し,この遊離が長時間のニコチン前処置やオビオイドペプチド自身によって抑制されることを報告した.今年度は,オピオイド類のうち特にこの抑制作用が強かったオピオイドκ,受容体アゴニストの作用を更に検討した.κ受容体の特異的なアゴニストであるU50,488Hやダイノルフィン(1-13)はともに他のオピオイド受容体アゴニストに比べて強い抑制作用を示したが,この作用はκ受容体アンタゴニストであるnor-BNIや非特異的なオピオイド受容体アンタゴニストであるナロキソンによって拮抗されなかった.このことより副腎髄質には,κアゴニストと親和性をもつものの,従来知られているκ受容体とは別の受容体が存在することが考えられる.一方,視床下部で見いだされ,副腎でも髄質よりのカテコールアミン遊離を引き起こすといわれている神経ペプチド,pituitary adenylate cyclase activating protein(PACAP)は,培養クロマフィン細胞でもカテコールアミン遊離を引き起こしたが,この遊離はκアゴニストによって抑制されなかった.今後,アセチルコリンとPACAPの作用機序の違いから,κアゴニストの作用点等についてさらに解析を進める予定である.
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