1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671904
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
友村 明人 明海大学, 歯学部, 講師 (60188810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 明美 明海大学, 歯学部, 助手 (50151585)
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Keywords | カルシウム / プロテアーゼ / 骨吸収 |
Research Abstract |
カルデクリンは我々により膵臓から精製、クローニングされた血清カルシウム降下因子であり、急性膵炎にみられる低カルシウム血症の惹起因子と考えられる。一次構造解析からカルデクリンはキモトリプシン型プロテアーゼ構造を持ち、遺伝子組換え産物もキモトリプシン活性を示した。一方、プロテアーゼ活性を阻害したカルデクリンは依然として血清カルシウムを降下させ、またプロテアーゼ活性に関与するアミノ酸を変異させたプロテアーゼ活性欠失遺伝子組換えカルデクリンも血清カルシウム降下活性を保持していた。また、カルデクリンの血清カルシウム降下作用は骨吸収の抑制によることを明らかにしたが、骨吸収抑制作用はプロテアーゼ活性に影響されなかった。さらに単離破骨細胞に直接抑制作用を表す事も明らかにした。以上の結果から、カルデクリン分子内に破骨細胞に直接働き骨吸収抑制に関わる構造が存在することが示唆された。 次にカルデクリン分子の前半と後半のフラグメントを用いた骨吸収抑制活性の検討で両者に骨吸収抑制活性が見られた。ところが両者には構造の類似性がないことから破骨細胞におけるカルデクリンによる骨吸収抑制は複数の受容体系を介している可能性が示唆された。そこでウサギ単離破骨細胞のcDNAを発現ベクターに組み込んだライブラリーを作製し、組換えカルデクリンフラグメントをリガンドとした発現クローニングを行いカルデクリン受容体を検索中である。
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