1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671907
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
角野 隆二 日本大学, 歯学部, 教授 (40014378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 美行 日本大学, 歯学部, 講師 (50246906)
岩田 幸一 大阪大学, 歯学部, 助教授 (60160115)
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Keywords | サル / 注意 / 大脳皮質第一次体性感覚野 / 弁別課題 / 前帯状回 |
Research Abstract |
本研究では、サルが熱刺激強度変化弁別課題あるいは光・熱刺激強度弁別課題を試行中に前帯状回から単一ニューロン活動を記録し、注意を熱刺激から光刺激に移動することにより、各ニューロン活動がいかなる変調を受けるかについて検討した。前帯状回に分布する侵害受容ニューロンは、熱刺激強度弁別課題および光・熱刺激強度変化弁別課題どちらの課題を試行している間においても、刺激がONになる前からスパイク発射が認められた。また、熱刺激強度変化弁別課題(熱刺激単独の課題)と光・熱刺激強度変化弁別課題(光刺激+熱刺激)を与えた時の反応を比較すると、後者の課題を与えた時の方が応答スパイク数は減少していた。このように、光刺激により弁別させる、すなわち光刺激に注意を集中させると、熱刺激に対する反応が抑制されることが明らかになった。このような反応の抑制は、T1の刺激強度が45、46、47℃のどの場合においてもほとんど同じ割合で認められた。この結果は正に前帯状回に分布する侵害受容ニューロンが注意の影響を受け抑制されたことを意味している。さらに、本研究ではT2刺激に対する弁別時間と前帯状回ニューロン応答との関係についても検索したが、熱刺激強度変化弁別時間の長さに関係なくスパイク応答頻度は変化しなかった。この結果は前帯状回に分布する侵害受容ニューロンが侵害刺激の弁別に対する役割は担っていないことを意味している。9年度に大脳皮質第一次体性感覚野に分布する歯髄駆動ニューロンの電気生理学的性質について述べたが、この領域に分布する侵害受容ニューロンと異なり、第一次体性感覚野のTPNの約半数のものは刺激強度弁別時間の増加に反比例的に応答スパイク頻度を増加していた。このように、前帯状回と第一次体性感覚野に分布する侵害受容ニューロンは痛覚受容における役割が全く異なることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ryuji Sumino: "Behavioral modulation of tooth-pulp sensory responses in monkeys." Dentistry in Japan. 34. 32-36 (1998)
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[Publications] Koichi Iwata: "Responses of ACCx nociceptive neurons in awake behaving monkeys." Pain Research. 13(1). 15-19 (1998)
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[Publications] Koichi Iwata: "Primary somatosensory cortical neuronal activity during the monkey's detection of the perceived change in tooth pulp stimulus intensity." Journal of Neurophysiology. 79(4). 1717-1725 (1998)