1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト唾液型シスタチンの遺伝子工学的生産と歯科医学への応用に関する研究
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09671910
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Research Institution | Nippon Dental University |
Principal Investigator |
斉藤 英一 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (40120662)
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Keywords | 唾液 / システインプロテアーゼインヒビター / リコンビナントシスタチン / キメラシスタチン / 部位特異的突然変異導入 / リコンビナントシスタチンの利用 / タンパク質工学 / タンパク質の構造と機能相関 |
Research Abstract |
ヒト唾液に含まれるタンパク質(シスタチンS、シスタチンSA、シスタチンSN、シスタチンC、シスタチンD)はパパインファミリーに属するシステインプロテアーゼの非拮抗型インヒビターである。研究代表者はこれらのシスタチンが保有している生物活性や生理機能を歯科医療の分野に役立てることを目指した。研究の第一段階では、大腸菌にリコンビナントシスタチンを大量発現させる方法を開発した。この発現系で製造されたリコンビナントシスタチンのプロテアーゼ阻害特性や生化学的特性はヒト唾液由来のシスタチン(天然型)と等価であることが判明した。この発現系を利用して天然型シスタチンの人工的エクソンシャッフリングによってデザインされたキメラシスタチンや部位特異的突然変異を施したシスタチンなども製造することができた。上記の改造型シスタチンは天然型シスタチンとは異なる新規の阻害特性を発揮し、シスタチンの酵素阻害特性とアミノ酸配列の相関を解析するのに役立った。研究の最終年度では、リコンビナントシスタチンや改造型リコンビナントシスタチンを有効に活用することを試案した。その結果、組換え型のシスタチンS、シスタチンSA、シスタチンSNなどは歯周病菌Porphyromonas gingivalis由来のプロテアーゼ(gingipain)の活性阻害を行なうことはできないが菌自体の増殖を抑制することが判明した。この知見は人工唾液の開発にも貢献すると思われる。既に、破骨細胞由来のカテプシンKの活性を著しく阻害することを明らかにしているが、この事実はシスタチンが骨代謝異常疾患の治療薬の開発にも貢献することを示唆する。昨年度、シスタチンがヒトの歯肉線維芽細胞にインターロイキン6を誘導生産させることを発見したが、最近、インターロイキン8もシスタチンによって誘導されることが判明した。この研究成果はシスタチンが歯周病などの口腔疾患の理解や治療および予防など歯科医療に利用され得ることを提示している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Eiichi Saitoh et al.: "Production of chimeric cystains by artificial exon shuffling and partial characterization of the chimeras."Proteolysis on Cell Functions(V. K. Hopsu-Have et al.., eds)IOS Press, Amsterdam, Berlin, Oxford, Tokyo, Washington ,DC. 149-157 (1997)
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[Publications] Eiichi Saitoh et al.: "Preparation and characterization of two proteins, SA1 and SA2, given by two alleles of the CST2 locus coding for human cystain SA, by genetic engineering approaches."Abstracts of the 5th International Symposium on Proteinase Inhibitors and Biological Controls. 113 (1997)
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[Publications] Eiichi Saitoh et al.: "Production and characterization of two variants of human cystain SA encoded by two alleles at the CST2 locus of the type 2 cystain gene family."Archives of Biocheistry and Biophysics. 351・2. 199-206 (1998)
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[Publications] Eiichi Saitoh et al.: "Mutational analysis of the evolutional conserved regions of cystain SA."The Journal of Dental Research. 77・5. 670 (1998)
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[Publications] 斉藤英一 他3名: "Cystatin SAの部位特異的変異体の作成と特性解析"生化学. 70・8. 928 (1998)
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[Publications] 石橋宰、斉藤英一 他 3名: "シスタチンCはヒト破骨細胞において多量に発現されカテプシンKを強く阻害する"日本骨代謝学会雑誌. 16・7. 254 (1998)
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[Publications] Eiichi Saitoh: "Studies on large-scale production and effective utilization of recombinant human cystains."Graduate School of Science and Technology, Niigata University. 172 (1999)