1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671913
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
鎌田 愛子 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (50140215)
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Keywords | 顎下腺 / HGF / c-met / RT-PCR |
Research Abstract |
サルの顎下腺を対象に、イムノブロッティングでHGF分子の性状を、RT-PCRでHGFおよびHGF受容体/c-MetのmRNA発現を調べた。 サル顎下腺(adult female Macaca facicularis)を摘出し、タンパク分解酵素阻害剤存在下PBS可溶性画分をヘパリンカラムにアプライした。ヘパリン親和性タンパク質を0〜2 M NaCl の濃度勾配で溶出し、溶離液を脱塩・濃縮後、SDS-PAGEとイムノブロッティングによるHGF検出に供した。その結果、サル顎下腺より分子量約69kDaのα鎖を持つHGFを分離・検出した。このHGFは、ヘパリンカラムクロマトグラフィーで大部分のヘパリン親和性タンパク質よりも高塩濃度で溶出され、ヘパリン親和性の高いことが示された。 また、顎下腺の一部からRNAを抽出し、逆転写反応で合成したcDNAを鋳型としてPCRで増幅した(RT-PCR)。プライマーは、HGFのβ鎖およびc-Metの細胞内領域に対応し、400〜500bp程度のPCR産物が得られるように選択した。PCR産物はアガロースゲル電気泳動・エチジウムブロマイド染色で確認した。さらに、PCR産物のDNAシークエンシングを行い、部分的塩基配列を調べた。サルHGFおよびc-Metに対応するPCR産物(442bp、408bp)はヒトのcDNAと高いhomology(各99%、98%以上)を示した。以上の結果より、サル顎下腺においてもHGFおよびHGF受容体/c-Metが発現していることが明らかになった。HGFが高いヘパリン親和性をもつことから、今後、顎下腺におけるヘパラン硫酸プロテオグリカンとの相互作用を検討していきたい。
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