1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671924
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 博夫 九州大学, 歯学部, 助手 (40213079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 正 九州大学, 薬学部, 助教授 (90184928)
平田 雅人 九州大学, 歯学部, 教授 (60136471)
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Keywords | モノクローナル抗体 / B細胞エピトープ / Immunodominance / Porphyromonas gingivalis / 線毛 / タンパク質 / 立体構造 / 変性 / 未変性 |
Research Abstract |
マウスを未変性のPorphyromonas gingivalis線毛で免疫して40クローンのモノクローナル抗体(mAb)を樹立し、各mAbの線毛モノマーおよびオリゴマーに対する反応パターンをイムノブロット法にて解析した。全てのmAbはポリマーには反応するがモノマーには反応することが出来なかった。さらにこれらのmAbは、2量体以上のポリマーに反応するものが20クローン、3量体以上には反応するが2量体には反応しないものが11クローン、全く変性操作を加えない線毛にしか反応を示さないもの9クローンに分類され、抗原結合性の高いmAbは前2群に集中していた。次に、モノマーの線毛サブユニットを調製し、これをマウスに免疫して線毛モノマーに反応性を示すmAbを4クローン樹立することに成功した。しかし、これらのmAbはいずれも、未変性の線毛に全く反応を示さなかった。すなわちP.gingivalisの線毛では、未変性のポリマーとそのサブユニットとでは抗原性が大きく異なること、そしてimmumnoominant B細胞エピトープは立体構造依存性であり、線毛の2量体あるいは3量体に表現されるものが特に重要である事を定量的に示すことが出来た。2量体あるいは3量体の線毛に反応を示すmAbから、結合性の高い3種を選択し精製後、標識抗体を作製し、他の非標識のmAbとの間での未変性線毛抗原をめぐる競合阻害の有無をELISA法で検討したところ、これら31のmAbは少なくとも3種以上の異なる立体構造依存性エピトープを認識することが示唆された。同様の手法を適用して、Serratia marcescensの線毛と卵白リゾチームにおいても、immunodominant B細胞エピトープが立体構造依存性であることが示され、このことは、安定な高次構造を保有するタンパク質における一般的な現象であることが示唆された。
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