1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671930
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
鈴木 陽典 奥羽大学, 歯学部・歯科放射線診断学講座, 助教授 (10104316)
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Keywords | ポータブルX線撮影装置 / CCDセンサ / 在宅歯科診療 / 防護シェード |
Research Abstract |
[目的]本研究の目的は在宅歯科診療において、安全で有用なX線撮影法を確立することにある。昨年度までにX線CCDセンサ、矩形コリメータ、防護シェード、防護シートを応用することにより、X線撮影室が無い場合でも、被曝線量の少ないX線撮影が可能であることを報告した。本年度は実際に在宅診療において様々な状況下で撮影できるように、(1)X線装置の照射筒および防護シェードをすべて透明材料にしたこと、(2)X線CCDセンサーの固定具を用いることにより、手指の不自由な患者でも、安全なCCD保持と位置合わせが容易にまた正確にできるようになり、在宅診療での種々の状況に対応した撮影を安全に行うことが可能となった。 [方法]ポータブルX線装置の照射筒部は、撮影時の位置合わせが容易にできるように透明材料に変更した。これには、既存の照射筒を基部20mmで切断し、かわりにクラレ社製の、透明含鉛アクリルコーンを装着した。防護シェードは、クラレ社製透明含鉛アクリルを直径200mmのドーナツ状の円板に成形し、照射筒を円板の中心に通し、帽子のつば状のシェードとして用いた。X線CCDセンサの保持は、阪神技研社のインジケータを改造して用いた。インジケータは照射筒先端に装着し、エックス線装置と一体として用いることもできるように改造した。また、インジケーターを保持するための装置を、2つのスライドアームと雲台を組み合わせて製作し、あらかじめインジケーター及びX線CCDを位置付けした後で、照射筒を宛って撮影することも可能とした。 [結果・結論]防護シェードにより術者被曝線量は患者から1mの位置で最大でも0.18μSv/secに低減できた。また、X線装置の照射筒および防護シェードをすべて透明材料にしたこと、あらかじめCCDを位置付けする固定具を用いることにより、安全なCCD保持と位置合わせが容易にまた正確にできるようになり、在宅診療での種々の状況に対応した撮影を安全に行うことが可能となった。
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