1998 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原菌の誘導サイトカイン種差の免疫機構への影響とγ/δT細胞サブクラスの同定
Project/Area Number |
09671936
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
斎藤 和子 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (30008247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 千穂美 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (00147860)
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Keywords | 免疫マウス / 歯周病原菌 / γ / δT細胞 / サイトカイン産生 / 抗体産生 |
Research Abstract |
実験動物としてICRマウスを:歯周病原菌としてP..gingivalis(Pg),F.nucleatum(Fn)を用い、マウスの腹腔を局所感染のモデルとして、感染後の腹腔における一次反応の時に増加がみられたγ/δT細胞のTCRサブセットの検索をRTCR法により行った。また生菌免疫マウスを利用した系で、腹腔洗浄液の総細胞数、細胞種、抗体価、サイトカインおよび血清の抗体価、サイトカインについて検索を行い次の結果を得た。 1. T細胞TCRサブセットは、Fn投与後Vγ6、Vδ1を持っγ/δT細胞が増加する。 2. 免疫マウスの菌投与後の総細胞数の最高値は2.76×10^7(Fn),2.83×10^7(Pg)個であった。Fnでは1週間にわたりこの細胞数が維持されたが,Pgでは6時間と3日のピーク時のみであった。 3. 細胞種は、Fn投与では好中球は6時間がピークで以後マクロファージが増加した。Pgでは6時間で好中球が増加するがすぐ低下し、3日のピークではリンパ球が増加していた。 4. 局所および血清中の抗体価はPg投与ではIgG>IgMを示したが、FnではIgM>IgGであった。 5. 免疫マウスのサイトカイン産生について、TNF-αはPg投与後3時間で最も高く(血清148.1,腹腔洗浄液233.5pg/ml)、以後1週間にわたり低いレベルで検出された。Fnではほとんど検出されなかった。IL-6は腹腔にPgを投与後3〜24時間に1250pg/ml以上のレベルで検出され、血清では3時間と1〜2週に高い値を示した。Fnでは腹腔洗浄液で24時間以内と5〜10日にかけて、血清で12時間と5〜7日にピークが検出された。IL-1βはいずれも24時間以内に検出され,Pgでは800pg/mlが腹腔洗浄液のみで認められ,血清では検出されなかった。IL-12 p70はFn,Pgいずれも低い値を示した。IFN-γ産生は,Pgでは24時間以内に腹腔>血清で検出され,Fnでは5,000pg/ml以上の高値を示した。また1週間は1〜2ng/mlの範囲で持続した。IL-10はPg投与後24時間以内に腹腔1176、血清835pg/mlの値を示し、Fnでも1800、1500pg/mlを示した。IL-4はPg投与では血清に14日後,Fnでは7日に血清のみに検出された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Katsuragi Hiroaki: "Correlation between activation of gingival crevicular fluid polymor-phonuclear leukocytes and IL-8 in periodontal patients" Dentistry in Japan. 33. 23-26 (1997)
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[Publications] Katsuragi Hiroaki: "Distribution of metallothionein in cigarette smokers and non-smokers in advanced periodontitis patients" J.Periodontol.68. 1005-1009 (1997)
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[Publications] 宮丸昌久: "歯周病原菌に対する正常および免疫マウスマクロファージの酸化窒素産生とSNAP誘導酸化窒素による殺菌効果" 日本歯周病学会会誌. 40. 443-455 (1998)