1998 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌性モノマー(MDPB)の配合が接着システムに及ぼす影響
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09671949
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
今里 聡 大阪大学, 歯学部, 助手 (80243244)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恵比須 繁之 大阪大学, 歯学部, 教授 (50116000)
木ノ本 喜文 大阪大学, 歯学部, 助手 (10252694)
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| Keywords | 接着システム / 抗菌性 / 歯科用修復材料 / 象牙質接着強さ / 細胞毒性 / 象牙質プライマー / dentime barrier test / 歯髄細胞 |
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| Research Abstract |
平成10年度においては,提出した研究実施計画に基づき,抗菌性モノマーMDPBを含有する試作接着システムの象牙質接着性および細胞毒性を評価した。
ヒト抜去歯牙より象牙質平坦面を露出し,0,1,2,5%のMDPBを含有するプライマー4種を用いて引張試験を行った。その結果,5%までのMDPBのプライマーへの配合は象牙質接着性には悪影響を及ぼさず,逆に2%の濃度で配合した場合には接着性が向上するということが判明した。一方,アドヒーシプにMDPBを2.5%配合した場合,MDPB非含有のものと有意差は認められないものの,若干接着強さが低下する傾向が認められた。MDPBをアドヒーシブに配合した場合は,粘性が高くなるため,脱灰象牙質への浸透性がいくぶん低下するのではないかと考えられた。一方,補助金により購入したクリーンベンチ内で,ヒト抜去大臼歯より歯髄を採取し,得られた歯髄細胞を用いて,dentine barrier testにてMDPB含有プライマーの細胞毒性を評価した結果,プライマーへの5%までのMDPBの配合では細胞毒性には有意な影響が認められないことが明らかとなった。ただし,barrierである象牙質円板を透過したモノマー濃度を測定したところ,5%MDPB配合プライマーからは比較的高い濃度の未重合MDPBが歯髄チャンバー内へ溶出しており,細胞毒性の点から考えると,5%以上の濃度でプライマーにMDPBを配合することはあまり好ましくないことがわかった。
以上のように,本年度の研究より,抗菌性モノマーMDPBの配合によるプライマー/アドヒーシブの接着性への影響はほとんど認められないこと,および5%までの配合であればプライマーの細胞毒性にも影響は認められないことが確認された。
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[Publications] Imazato,S.: "Antibacterial activity of dentine primer coutaining MDPB after curing." Journal of Dentistry. 26(3). 267-271 (1998)
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[Publications] Imazato,S.: "Antibacterial activity of cured dental resin incorporating the antibacterial monomer MDPB and an adhesion-proncting monomer." Journal of Biomedical Matrials Research. 39(4). 511-515 (1998)
