1997 Fiscal Year Annual Research Report
新生象牙芽細胞の分化過程における基質蛋白発現パターン解析
Project/Area Number |
09671958
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平田 昌子 九州大学, 歯学部, 助手 (10153769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 康治 九州大学, 歯学部, 助手 (00170473)
大崎 康吉 九州大学, 歯学部, 教授 (70117076)
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Keywords | 新生象牙芽細胞 / 象牙質 / 基質蛋白 |
Research Abstract |
保存臨床において直接覆髄や断髄が施術されると、象牙質・歯髄複合体は損傷を受け、象牙芽細胞層の配列の乱れおよび一部消失などが見られるが、新生象牙芽細胞の分化・修復象牙質の形成により治癒に至り、歯髄は生活性が保たれる。このように修復象牙質の形成は治療上非常に重要な過程であるが、その治癒過程についての詳細なメカニズムについては解明されていない部分が多い。そこで我々は、骨基質非コラーゲン蛋白のなかで最も多量に存在しているオステオカルシンosteocalcinに着眼し、ラット新生象牙芽細胞においてのこの蛋白の時間的空間的局在を免疫組織化学的に観察することを計画した。まず幼弱なラット臼歯歯胚において一次象牙芽細胞でのsuteocalcinの時間的空間的局在パターンを調べた。その結果、8日齢のラット臼歯歯胚ではエナメル象牙境にこの蛋白の強い沈着が観察された。骨および切歯の象牙芽細胞胞体と象牙質は非常に強い染色性を示した。臼歯歯胚の内エナメル上皮に沿って並んだ象牙芽細胞では、核の分極を終え象牙質の分泌を開始してしばらく後の部分の象牙芽細胞でわずかに胞体内が染まっていた。この細胞に該当するエナメル象牙境にはosteocalcinの沈着は見られなかった。0日齢のラット臼歯歯胚でも同様の所見が観察された。以上の所見から、ラット臼歯に切削刺激を与えて一次象牙芽細胞を脱落させて新生象牙芽細胞を分化させる際にもosteocalcinの発現はかなり後期となることが示唆された。現在は新生象牙芽細胞におけるosteocalcinの発現の時間的空間的パターンを解析中である。
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