1997 Fiscal Year Annual Research Report
Er:YAGレーザーを用いた保存修復法の確立とその臨床応用
Project/Area Number |
09671960
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
荊木 裕司 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (30139604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 康彦 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (60281284)
川上 智史 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (00169682)
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Keywords | Er:YAGレーザー / 修復 / 窩洞形成 |
Research Abstract |
平成9年度はEr:YAGレーザーの保存修復への応用法の確立を目的として以下の検討を行った.切削性に関する検討では、抜去歯について、レーザー照射による歯質除去効果を試作切削試験装置(現有設備)により検討した。切削試験はレーザー装置(ML22:HOYA、MORITA、現有設備)とその比較対照として、エアタービン、電気エンジンを用いた。レーザーについては出力、パルス、照射距離、角度等を変更させて測定を行い、これらの因子と切削性の関係について検討した。 Er:YAGレーザーの歯質除去効果は出力とほぼ比例関係をとった。出力150mJ、10ppsでの歯質除去能率はエナメル質でエアタービンの1/3、象牙質ではほぼ1/2であった。照射面では、歯質の熱による変化や亀裂は観察されなかった。照射角度については照射面に90℃(垂直)から30℃まで偏向させた範囲では除去能率の変化は生じなかった。照射チップの先端形状と切削正の関係については、現在、先端部の形状を変化させた試作チップを作成し、検討中である。 臨床検討においては附属病院外来において特に協力を得られた患者100余症例をを対象に保存修復処置、特に成形修復時の形成を中心にレーザーを応用して、術中術後の所感、不快事項、治癒経過 成績等を調査検討した。その結果、成形修復処置についてはレーザーを応用した処置では、ほとんどの症例で形成時に疼痛の発現が認められなかった。また形成所用時間はエアタービンと比較して3〜5倍(2〜4分程度)であったが、切削に伴う振動や、高周波音がほとんど生じないため、患者の受ける不快感は少ないことが認められた。術後経過については現在最長例で1年6ケ月を経過しているがこれまでのところ不快事項は生じていない。
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