1997 Fiscal Year Annual Research Report
簡便DNAプローブ法により検索した歯周病原性細菌の存在と病型との関連性の検索
Project/Area Number |
09671965
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
高橋 潤一 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (30287180)
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Keywords | 簡便DNAプローブ法 / Actinobacillus actinomycetemcomitans / Porphyromonas gingivalis / 歯周炎 / 診断法 |
Research Abstract |
迅速かつ簡便に行えるDNAプローブ法を作製し,歯周炎患者への臨床応用の可能性を検討した。 DNAプローブは,Porphyromonas gingivalis ATCC33277,Actinobacillus acrinomycetemcomitans ATCC43718から抽出したDNAをNick translation法によって非放射性物質であるビオチンで標識し作製した.それぞれのプローブの反応性はdot blot法およびcolony blotによって調べた.短時間で簡便にできる方法として,24-well culture plateを用い、サンプルをプロットした1cm四方のメンブレンをそれぞれの試薬の入ったwellに順番に移し変え,100℃加熱のDNAプローブを直接10分間反応させ温度が自然に下降し、アニーリングするようにした後、洗浄は75℃の1.2×SSC/0.1%SDSを用いた洗浄効率を高めるなど,各処理時間を短縮した。全ての反応は約2時間で終了した. 作製したDNAプローブの他の菌種との交叉反応を調べた結果,P.gingivalisに関しては主たる他の口腔内細菌とは全く交叉反応を示さず,高い特異性を示した.A.actinomycetemcomitansに関してはHeamophilus aphrophilusと若干の交叉反応を示したが,洗浄方法の改良でクリアできた.検出感度は両菌種とも10^4であった。 次に,実際この方法を用いて,プラークサンプル中の両菌の検出を培養法と比較した結果,P.gingivalisの一致率は88%で、A.actinomycetemcomitansでは67%であった.A.actinomycetemcomitansに関しては,培養法で検出されない部位で陽性を示した部位が多かった. このように臨床的に応用できることが明らかになったため,現在様々な病型の患者からサンプルを採取し,データを集めている.
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