1998 Fiscal Year Annual Research Report
歯科保存領域におけるビスフォスフォネート系薬剤の臨床応用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09671969
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
石井 信之 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (20163610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南田 厳司 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (70288083)
角田 晃 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (70236933)
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Keywords | 破骨細胞 / ビスフォスフォネート / 根尖病変 |
Research Abstract |
本研究では、骨吸収を伴う根尖性歯周炎の治療と骨吸収抑制にビスフォスフォネートを応用し、その有効性を検討することを目的として第3世代BPsであるYM175を使用してラット根尖病変モデルによる以下の実験を行った。1)YM175の治癒促進効果の検索:ラット臼歯部を#1/2ラウンドバーで外科的に穿孔後、口腔常在菌による感染を惹起させ根尖病変を誘導する。実験開始2および4週間後、根尖病変を確認した後、シマドロネート混合の根充剤で根管充填を行い、3ケ月後に屠殺し根尖病変の推移を病理学的に検索した結果、対照群と比較して有為な治癒促進効果は認められなかった。2)YM175の骨吸収予防効果の検索:ラット臼歯部を#1/2ラウンドバーで外科的に穿孔後、根管内に10^<-6>-10MのYM175水溶液をマイクロシリンジで注入し、対照群(生理食塩液)と根尖病変の発現率を比較検討した結果、YM175水溶液添加群が対照群と比較して、根尖病変の発現率が減少した。 以上の研究結果から、YM175は5μM濃度で骨芽細胞に細胞傷害を与えずに破骨細胞の分化と骨吸収を抑制することが明らかになった。また、ラット臼歯の根管内貼薬(局所投与)によって根尖病変の発現率を減少させ、歯科保存領域の骨吸収を伴う疾患(根尖性歯周炎、辺縁性歯周炎)において有用性が認められた。ぞこで、YM175の歯科保存領域での臨床応用を具体的に実現するためには投与ベクター(水溶液、gel状態etc.)の開発、有効投与量の設定、投与方法および投与期間を決定する必要があると考えられた。
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