1998 Fiscal Year Annual Research Report
アブフラクションによるクサビ状欠損形成のメカニズム解明と修復法の検討
Project/Area Number |
09671971
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
花岡 孝治 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (40198776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三橋 晃 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20239289)
三ツ井 邦晴 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (30267512)
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Keywords | アブフラクション / クサビ状欠損 / グラスアイオノマーセメント / 破壊靱性 / コンポジットレジン / 接着疲労耐久性 / 樹脂含浸層 |
Research Abstract |
実験I クサビ状欠損歯に対する修復法の検討 ーI樹脂含浸層の観察ー abfractionによって生じた欠損に対する修復法には,グラスアイオノマー修復の他,象牙質接着システムを応用したコンポジットレジン修復がある.現用の象牙質接着システムにおいて,酸による象牙質の脱灰,脱灰領域へのレジンモノマーの浸透,拡散,その後の重合という段階を経て生成される樹脂含浸層は,接着メカニズムや接着疲労耐久性に重要な役割を果たす.一方,クサビ状欠損歯の接着面の大部分を占める象牙質は,管内象牙質の肥厚や石灰化物の沈着(硝子様変性)による硬化象牙質(Sclerotic dentin)となっおり,健全象牙質とは異なる樹脂含浸層を形成させる可能性を有する.そこで,ScotchbondMulti-Purpose(3M)を処理した新鮮抜去歯に対し,Arイオンエッチングを施し,樹脂含浸層形成の相違を検討した結果.健全象牙質では,5-10umの明瞭な含浸層が観察されたのに対し,歯頚部クサビ状欠損部では,う蝕硬化象牙質で形成された含浸層と類似した約2-3umと幅の狭い含浸層が観察された.硬化象牙質の存在は,酸による脱灰域を減じ,樹脂含浸層の厚さに影響を及ぼすことが示され,これら歯質的要因が,クサビ状欠損歯に対する修復の予後不良の原因因子に大きく影響を与えている可能性が示された. 実験II クサビ状欠損歯に対する修復法の検討 ーII接着疲労耐久性の検討ー コンポジットレジン修復の接着耐久性において,歯質的要因の他に,材料学的要因が大きく影響する.接着システムの相違による接着耐久性を評価した結果,セルフエッチングプライマーを用いる2ステップシステム(薄い含浸層を有する)は,3ステップシステムに比較し,優れた接着強さを示すものの接着耐久性の改善は認められなかった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Koji Hanaoka.et.al.: "A Biomechanical Approach to the Etiology and Treatment of Noncarious-Dental Cervical Lesions" The Bulletin of Kanagawa Dental College. 26・2. 103-113 (1998)
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[Publications] 長尾大輔,花岡孝治、寺中敏夫: "象牙質接着システムの接着特性について-剪断接着強さと破壊様式の関係-" 神奈川歯学. 33・1. 40-51 (1998)