1999 Fiscal Year Annual Research Report
アブフラクションによるクサビ状欠損形成のメカニズム解明と修復法の検討
Project/Area Number |
09671971
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
花岡 孝治 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (40198776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三橋 晃 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20239289)
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Keywords | アブフラクション / クサビ状欠損 / グラスアイオノマーセメント / 破壊靱性 / コンポジットレジン / 接着疲労耐久性 / 樹脂含浸層 |
Research Abstract |
実験I 樹脂含浸層内へのレジン浸透の評価 樹脂含浸層の構造学的観察は,エッチング材による歯質脱灰領域を表しているにすぎず、レジン浸透に関する情報は得られない.そこで,クサビ状欠損の硬化象牙質に対するレジンの浸透を調べる前実験として、健全象牙質対しBrでラベル化した2.4.6-tribromophenoxy methacrylate(TriBr-PM)をtracerとしてボンディングレジンに添加し,試料作製後,EPMA分析を行いレジンの浸透程度を検討した.さらに,コラーゲンリッチな低Ca脱灰層を減少させるため,マレイン酸,ならびにリン酸処理後10%NaClOを適応し,レジンの浸透程度を比較した. ヒト健全研削象牙質を2分割し,一方に,35%リン酸処理30秒を施し,他方には,10%マレイン酸30秒,35%リン酸30秒処理後ADゲル2分の歯面処理を行った.これらの処理面に対しHEMAを適応後,TriBr-PMを7wt%添加したScotchbond Multipurposeのレジンを塗布し重合し試料とした.ダイヤモンドペースト(0.25um)まで研磨した象牙質接着界面にEIS-200ERにより,アルゴンイオンエッチングを施し,EPMA-8705にて同部位のCaとBrの点面分析を行った. EPMAによるCa,Br分布の観察結果,リン酸処理の場合,脱灰最前線と考えられる部分までTriBr-PMの存在が観察され,同部までレジンの浸透があることが確認された.脱灰能の低いマレイン酸処理後ならびにADゲル処理後に生成された樹脂含浸層の幅は狭いものの,層内に侵入したレジン量は,リン酸処理の約2倍であることが認められた. 今後,クサビ状欠損歯の硬化象牙質に対するレジン浸入状態を検討する予定である.
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Research Products
(1 results)