1999 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜流動性を指標とした歯科材料の毒性試験法の開発
Project/Area Number |
09671984
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
本郷 敏雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (60142444)
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Keywords | ヒト歯根膜 / 蛍光異方性 / 膜流動性 / レジンモノマー / 細胞毒性 / 高速液体クロマトグラフィー |
Research Abstract |
歯料用レジン材料の構成成分の多くは脂溶性が高く、それら材料の為害作用の一次標的部位である細胞膜との相互作用が考えられるので、歯科用レジンモノマーによる細胞膜脂質の微環境の状態変化とMTT法による細胞毒性試験法との相関について検討した。ヒト臼歯歯根膜由来のPL細胞を用い、MTT法による細砲毒性試験を行った。更に歯科用レジン硬化体を5〜100%エタノールに浸漬し、高速液体クロマトグラフィーで溶出物の同定も行った。50%の細胞に毒牲を発現させる濃度はモノマーを24時間処理した場合ではUDMA≧Bis-GMA>trimethylolpropane trimethacrylate(TMPT)>ethylene glycol dimethacrylate(EGDMA)≧1,4-buthane diol dimethacrylate(BDDMA)>1,3-buthylene glycol dimethacrylate(BGDMA)>methyl methacrylate(MMA)>triethylene glycol dimethacrylate(TEGDMA)の順に毒性が強く発現した。1-(4-trimethylaminophenyl)-6-pheny-1,3,5-hexatrieneで細胞を蛍光ラベル化した後、蛍光異方性及び偏光度を自動偏光解消測定装置を装着した分光蛍光光度計で測定し、レジンモノマー添加後のそれらの変化を検討したところ、その変化は細胞はUDMA>Bis-GMA>EGD>TMPT>BG=MMA≧BD>TEGDMAとなり、MTT法による細砲毒性試験法とほぼ同じ順であった。この結果とレジンモノマーを24時間処理した細胞毒性試験法から得られた結果との間に非常によい相関性が認められた。更に硬化体の溶出物の解析から、床用レジンを5〜100%エタノールに浸漬すると40%以上のエタノールで過酸化ベンゾイルが濃度依存的に溶出されていること並びに全濃度ではMMA及び過酸化ベンゾイルの分解産物が溶出していることなどが明らかとなった。
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[Publications] 本郷敏雄: "歯科用レジンの高感度分析法"歯科材料・器械. 18・SI 34. 171 (1999)
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[Publications] 矢島 功: "歯科用ポリカーボネート中のビスフェノールAの分析"日本内分泌撹乱化学物質学会 第二回研究発表会要旨集. 27 (1999)
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[Publications] 矢島 功: "HPLC/ECDによる歯科用材料中のビスフェノールAの分析"日本薬学会第120年会講演要旨集4. 175 (2000)