1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671985
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小林 賢一 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (00170316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 二久 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70095107)
関田 俊明 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90236092)
水口 俊介 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (30219688)
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Keywords | 下顎骨 / 骨ミネラル密度 / Computed Radiography |
Research Abstract |
Computed Radiography(CR)をX線画像入力装置とした骨ミネラル量計測システムを開発し,このシステムを用いて無歯顎下顎骨における詳細な骨ミネラル分布を調査した。 1.骨ミネラル量計測システムについて 本システムの測定精度は相対誤差1.4%,再現性は変動係数1.1%であった。 2.無歯顎下顎骨の骨ミネラル分布について (1)切片の位置による骨ミネラル分布の差について 皮質骨では、舌側および下顎下縁側において前歯部ら臼歯部にかけて骨ミネラル密度は減少し、唇頬側では逆に増加する傾向がみられた。また、オトガイ孔部およびその前方12mm付近では極小値が認められた。 一方海綿骨では,舌側および下顎下縁側の領域で前歯部から臼歯部に向かうに従い骨ミネラル密度の明らかな減少傾向がみられたが,唇頬側では、臼歯部付近まで減少傾向は認められなかった。また,すべての領域で,オトガイ孔部の前方12mm付近において極小値を示し,頬側領域ではさらにオトガイ孔部においても極小値を示した。 (2)同一切片内における骨ミネラル分布について 前歯部海綿骨では,歯槽頂側より下顎下縁側の骨ミネラル密度が,臼歯部海綿骨では頬側の方が舌側よりも有意に高い値を示した。 また小臼歯部および臼歯部の顎舌骨筋線部では,皮質骨・海綿骨とも周辺部に比べて有意に高い骨ミネラル密度を示したが,外斜線部では周辺部との間に有意な差は認められなかった。 標本間における骨ミネラル密度の変動は、皮質骨ではオトガイ孔付近と臼歯部顎堤頂部,海綿骨では前歯部舌側,下縁部,そしてオトガイ孔より6mm前方付近を中心とした唇側において顕著であった。 以上のように筋付着部位や下顎管の走行経路,そしてオトガイ孔の位置・大きさの個人差による部位的変動が観察された。 今後、これらの結果に基づいて顎骨吸収量の大小、義歯の与える影響が欠損部の骨ミネラル密度とどのような関連を持つのかを定量的に比較・評価する。
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