1997 Fiscal Year Annual Research Report
顎口腔機能異常における顎運動関連脳電位の変調とその機能病理学的関連
Project/Area Number |
09672010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
成田 紀之 日本大学, 松戸歯学部, 専任講師 (10155997)
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Keywords | 顎口腔機能異常 / 運動関連脳電位 / 下顎運動 |
Research Abstract |
A.顎機能異常者における顎運動関連脳電位: 顎関節有雑音を被験対象として,開口運動にかかわる脳準備電位の発現様相を健常者と比較検討した.健常者9名と顎関節有雑音者12名である.脳電位の導出にはBiotp(NEC)を,また脳波波形の加算にはSignal processor(NEC)を用い,波形取り込みは顎二腹筋に同期させた.電極はC3,C4,T3,T4,CZに設定した.結果:1)開口運動準備電位は二つの波形成分Base Potential(BP)とNegative Slope(NS)とに識別された.2)健常者のNSはC3,C4,CZにおいて大小開口動作間で電位上昇を示した.3)雑音者群のNSは開口増加により電位の低下傾向を示した.4)雑音者群のBPは小,大開口ともに健常者と比べ有意な差を示さなかったが,NSは大開口時には有意に低下した.以上のことから顎関節有雑音者に示された開口運動に関連する脳準備電位の有意な低下は,顎関節固有受容性変調の運動企画に対する抑制性feed forwardと考えらた.(補綴誌41,1997) B.脳磁計測による下顎運動にかかわる脳機能のマッピング: 下顎運動脳磁場(MEG)を計測することにより,下顎運動と脳活動との関連を検討した.被験者は健常者2名で,MEG計測にはCFT社製64チャンネル全頭型MEGシステムを用い,開口,閉口,側方,舌前方運動を指示した.結果:1)開口,閉口,側方,舌運動の準備磁界(RF)は一次感覚運動皮質に対称性に局在た.2)片側咬合でのRFは一次感覚運動皮質に対称性に局在し,片側性咬合支持によるRFへの影響を示さなかった.3)開口,舌運動の運動磁界(MF)は一次感覚運動皮質に対称性に局在したが,側方運動のMFは運動側の対側で優位であった.以上のことから,健常者のRFは下顎運動様式にかかわりなく対称性に発現し,またMFは運動側と対側で優位と考えられた.(補綴誌42,1998)
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Research Products
(2 results)