1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09672012
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
西山 典宏 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (90112953)
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Keywords | ^<13>C NMR / プライマー / 象牙質コラーゲン / 相互作用 / 象牙質接着 |
Research Abstract |
メチレン鎖長の異なる5種類のω-アミノ酸のアミノ基にメタクリル酸クロリドを縮合し,N-メタクリロイル-ω-アミノ酸(NMωA)プライマーを合成し,NMωAと象牙質コラーゲンとの相互作用の詳細を^<13>C-NMR法で検討するとともに,NMωAプライマー水溶液を脱灰象牙質に作用させた場合のコンポジットレジンの接着強さを測定し,両者の相互作用の強さがレジンの接着強さにおよぼす影響について検討した. NMωAと象牙質コラーゲンとの相互作用の詳細を検討することを目的とし,ボールミルで粉砕したウシ歯冠象牙質粒子を正リン酸水溶液で脱灰して得られた不溶性象牙質コラーゲンをNMωAプライマー水溶液中(pH=1,6)に共存させ,NMωAに帰属されるカーボン核の縦緩和時間(T_1)を調べた.その結果,NMωAプライマー水溶液中に象牙質コラーゲンを共存させると,NMωA分子内のアミド基およびカルボキシル基が象牙質コラーゲンと相互作用を起こすため,NMωAのアミド基およびカルボキシル基に由来するカルボニルカーボン核のT_1の値は象牙質コラーゲン非共存系のそれに比べて大きく減少し,その減少率はメチレン鎖が長くなるほど増大した. 一方,脱灰象牙質へのレジンの接着強さはNMωA分子内のメチレン鎖が長くなるにつれて上昇し,象牙質コラーゲンと強く相互作用を起こすNMωAプライマーほど高い接着強さを与えることがわかった. 以上の結果から,NMωA分子内のアミド基およびカルボキシル基は象牙質コラーゲンを構成しているアミノ酸残基の側鎖官能基であるカルボキシル基と水素結合を形成して吸着し,この吸着したNMωA分子種がレジンと象牙質コラーゲンとの接着を可能にしていることが示唆された.
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