1997 Fiscal Year Annual Research Report
チタン鋳造床の適合性 -とくに維持格子形態の差異による影響-
Project/Area Number |
09672027
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
小正 裕 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (10131385)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿本 和俊 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (20194681)
|
Keywords | 純チタン / 鋳造床 / 維持格子 |
Research Abstract |
今回,実験の対象とした維持格子の形態は維持格子をもたないもの,メッシュ型,梯子型の3種で,そのそれぞれについて維持格子の辺縁が歯槽頂上にとどまるものと歯槽頂をこえるもの計6条件である.金属は純チタンJIS3種,埋没材は市販リン酸塩系埋没材,複印象材は複印象用シリコーン印象材を使用して純チタン鋳造床を製作し,その寸法変化について検討した. 寸法変化を検討するための計測点は,切歯乳頭部,右側犬歯部歯槽頂,左側犬歯部歯槽頂,右側上顎結節部,左側上顎結節部,口蓋中央部および口蓋後縁部に設定した. 2点間距離の寸法変化は横方向,縦方向ともに維持格子なし,メッシュ型,梯子型の順に高い値を示した.歯槽頂をこえるものと歯槽頂上にとどまるものでは,歯槽頂上にとどまるものが高い値を示し膨張の傾向を現した. つぎに,口蓋後縁部において純チタン鋳造床の浮き上がり量を求めた.維持格子なしの場合が最も低い値を示し,梯子型,メッシュ型の順に高い値を示した.この純チタン鋳造床の浮き上がり実験では歯槽頂をこえる形態の維持格子は,いずれも非常に高い浮き上がり量を示した. 測定値のみでは,維持格子を持たない鋳造床の寸法変化が最も少ないという結果が認められた.しかし,維持格子を持たない金属床義歯の適合性に問題があるという点が従来より指摘されている.したがって,総合的な意味から考えると純チタン鋳造床の維持格子にはメッシュ型が適当であると考える.今後,メッシュの形態,大きさについてさらに検討を加える予定である.
|