1999 Fiscal Year Annual Research Report
癌の浸潤転移関連遺伝子を用いた口腔癌の臨床診断及び口腔癌細胞株を用いた実験的研究
Project/Area Number |
09672032
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
西川 武志 北海道教育大学, 教育学部・札幌校, 助教授 (50237674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤永 惠 札幌医科大学, 医学部, 名誉教授 (10045338)
小田島 哲世 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00177239)
磯貝 浩 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50137436)
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Keywords | E1AF / ポリクロナール抗体 / 転写因子 / 転移 / 浸潤 / 口腔癌 / 予後 / MMP |
Research Abstract |
癌細胞の転移には細胞外マトリックを破壊することが必要であり、マトリックスメタプロテアーゼ(以下MMP)の発現が重要とされている。これらの遺伝子の上流にある転写調節領域にはETS結合配列が存在し、そこにets癌遺伝子ファミリー産物が結合し、これらの遺伝子の転写調節に重要な役割をはたすことが報告されている。 口腔外科領域の悪性腫瘍(扁平上皮癌細胞株)から蛋白を抽出し、ウエスタンブロット法にてE1AF蛋白の発現を検索した。蛋白レベルでは、発現の認められるものもあるが、強い発現の認められるものはなかった。すなはちE1AF遺伝子は、RNAレベルでは高い発現が認められるものの、蛋白レベルでは、あまり強い発現が認められなかった。このことからE1AF蛋白は、癌細胞中で、発現が弱いか、安定性が低く、すぐに分解されている可能性が考えられた。癌細胞の中で、E1AF遺伝子蛋白の発現の認められないものに、E1AF遺伝子を組み込んだレトロウイルスベクターを導入し、producer細胞株を樹立した。これらの細胞をヌードマウスに皮下接種する実験において、転移能運動能の上昇が認められた。このことからE1AF遺伝子は、悪性腫瘍の転移浸潤に深く関わっていることが示された。また、E1AFと同時に、MMP蛋白、3MMP9蛋白などの発現についても検討を加えた。これらの遺伝子の発現と癌の組織型(悪性度)と予後を調査し、それらの関係について検討した。細胞株によっても多少のばらつきはあるものの、一般的には、悪性度の強いもの(予後の悪い)ほど蛋白レベルでE1AF遺伝子の発現が強く(同時にそれらはMMP蛋白、3MMP9蛋白の発現も高かった)、癌の悪性度や転移能力に相関するものが多いと考えられた。
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