1998 Fiscal Year Annual Research Report
口腔悪性腫瘍および前癌病変におけるゲノム不安定性と遺伝子修復酵素異常の検索
Project/Area Number |
09672037
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
宮 恒男 千葉大学, 医学部, 助手 (20261927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹沢 秀樹 千葉大学, 医学部, 教授 (50236775)
横江 秀隆 千葉大学, 医学部, 講師 (70261930)
宮川 昌久 千葉大学, 医学部, 助手 (40276358)
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Keywords | 口腔悪性腫瘍 / 前癌病変 / ゲノム不安定性 / 遺伝子修復酵素異常 |
Research Abstract |
多数の口腔癌組織、前癌病変さらに転移巣組織を用いて、genomic instabilityに関して、以下の研究を行った。 1) 同一患者における腫瘍組織、正常組織および前癌病変よりDNAを抽出・精製した。 2) 染色体上の多数のマイクロサテライト領域のうち、特にgenomic instabilityを示す確率の高い領域に特異的なプライマーを合成した。 3) 各マイクロサテライト領域を[γ-32P]ATPにて標識されたプライマーでPCRを行い、PCR-microsatelite instability assayを行った。 1) 口腔悪性腫瘍におけるgenomic instabilityの頻度は約60%程度であり、染色体の種類と部位によりその頻度が異なり、特異的不安定部位と思われるMIの集積部位が存在することが明らかになった。 2) それぞれの特異的不安定部位におけるgenomic instabilityと組織型、予後との相関の有無を検討したが、今のところ、これらの臨床指標との相関関係は認められなかった。 3) genomic instabilityの因になるミスマッチ修復遺伝子異常の頻度と種類をLOH-SSCPにより検討したところ、遺伝子上(DNA)の突然変異の頻度は8.5%と非常に低く、酵素の構造上の異常よりも、発現調節異常に主な原因がある可能性が示唆された。 今後、さらに多くの組織について分析を行うと共に、DNA修復酵素異常(メチレイション等による発現異常も含めて)を検索する予定である。
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