1997 Fiscal Year Annual Research Report
Lactobacillus plantarum細胞壁由来ジサッカリドトリペプチドの抗腫瘍効果とその作用機作
Project/Area Number |
09672045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
網野 かよ子 大阪大学, 歯学部, 助手 (50202700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作田 正義 大阪大学, 歯学部, 教授 (00028755)
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Keywords | 癌抗原ペプチド / CTL活性 / Muramyldipeptide(MDP) |
Research Abstract |
Lactobacillus plantarum細胞壁由来ジサッカリドトリペプチドの抗腫瘍効果を調べるためにp.815担癌マウスに癌抗原ペプチド(P1A)とL.plantarum細胞壁由来ジサッカリドトリペプチドを投与して同マウスの生存率について検討した。しかし癌抗原ペプチド投与群と癌抗原ペプチドおよびL.plantarum細胞壁由来ジサッカリドトリペプチド投与群とを比較検討すると前者に比べ後者では50%生存期間の延長は認められなかった。そこで種々のアジュバント作用が報告されている(1、Scand,J,Immunol,41,1-10,1995 2,Journal of Surgical research,5,233-238,1992)Muramyl dipeptide(MDP)をL.plantarum細胞壁由来ジサッカリドトリペプチドに代えて、同様なp.815担癌DBA/2マウスに投与したところ、癌抗原ペプチドおよびMDPを投与した群は癌抗原ペプチド単独投与群に比べ50%生存期間の延長が認められた。また癌抗原ペプチドを1週間隔で3回投与した後、採取したspleen cellを癌抗原ペプチドでin vitroにおいて再刺激するとp.815に特異的なCTL活性の上昇が認められたが、癌抗原ペプチドおよびMDPを1週間隔で3回投与し、同様にp.815に対するCTL活性を測定したところ更にCTL活性の上昇が確認された。(コントロール群29%,ペプチド投与群54.65%,ペプチドおよびMDP投与群56.83%)ペプチドおよびMDP投与群は有意にコントロール群に比べ高値を示した。(p<0.001)しかしペプチド投与群とペプチドおよびMDP投与群の二群間には有意差は認められなかったためペプチドおよびMDP投与群のin vivoにおける50%生存期間の延長はCTL活性の増強だけでなく他の因子の関与も考えられる。またペプチドを用いたCTL活性の誘導にはIL-2の関与が示唆されたことよりサイトカインとの関係からマクロファージやヘルパーT細胞の関わりを明らかにする必要がある。よって今後はさらに癌抗原ペプチド(P1A)とMDPを用いることによりみられる抗腫瘍効果およびその作用機作の解明を進めていくこととする。
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Research Products
(1 results)