1997 Fiscal Year Annual Research Report
胚性癌腫細胞の分化誘導機構と抗癌剤耐性の分子機構の解明
Project/Area Number |
09672046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 隆 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (70150349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 聡一 大阪大学, 歯学部・附属病院, 医員
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Keywords | 胚性癌腫細胞 / 抗癌剤耐性 / Rad51 / p53 / DNA修復 / 分化 / アポトーシス / 相同組み換え |
Research Abstract |
胚性癌腫細胞マウステラトカルシノーマ細胞は増殖の盛んな細胞であり、その分化を誘導することにより、増殖能が低下する。我々は、癌細胞など増殖の盛んな細胞では、大腸菌相同組み換え遺伝子RecAのホモログであるRad51遺伝子が発現していることを明らかにした。それは、細胞周期のG1-S-G2-M期に発現している。遺伝子相同組み換えは、DNAにおける二重鎖切断の修復の機能をもっており、F9など増殖の盛んな細胞では、常に、二重鎖切断の修復を行っていると考えられる。我々は、Rad51遺伝子をノックアウトし、この癌細胞の増殖への影響、DNA二重鎖切断試薬に対する修復能、放射線、抗癌剤に対する影響を調べる予定であった。しかし、F9細胞について、Rad51の一方のalleleは、破壊されるが、もう一方は、全く破壊されなかった。このことは、胚性癌腫細胞マウステラトカルシノーマ細胞において、Rad51遺伝子は、必須であり細胞増殖と密接な関係があることを示している。このように、Rad51欠損細胞株が得られないので。我々は、F9細胞を用いて、現在アンチセンスオリゴヌクレオチドを導入し、細胞の増殖、放射線に対する耐性がどうなるか、DNA切断試薬であることが多い抗癌剤にたいする感受性がどう変化するかをさらに検討したい。
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Research Products
(1 results)