1998 Fiscal Year Annual Research Report
悪性黒色腫細胞株(SSM-1)の浸潤-転移に関する免疫組織学的、分子生物学的検討
Project/Area Number |
09672075
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
水谷 成孝 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (40200000)
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Keywords | 悪性黒色腫 / 細胞培養 / 転移 / 侵潤 / MMP-2 / MMP-9 / カドヘリン |
Research Abstract |
口腔領域の悪性黒色腫は強い浸潤性増殖能と高い転移巣形成能を有している。今回、私は高メラニン色素産生能を有する本腫瘍の株化細胞(SSM-1)を樹立したので、本株を用いて、浸潤・転移巣形成能のメカニズムについて研究を行った。 今回の実験では、コラーゲン・ゲル培養法を用いたが、本法は単層培養法の欠点とされる分化機能の喪失を防ぐ新しい方法であり、細胞の三次元的形態形成、組織構築を観察できる。本法により、よりin vivoに近い条件でのモデル実験が可能となり、下記の結果を得た。 1. in vitroで悪性黒色腫と間質細胞との反応をみるために,(第1法)患者より線維芽細胞を採取し、継代培養を行った後、コラーゲン・ゲル培養キットを用い3次元培養でコロニー状になったSSM-1との浮遊液を混合する。(第2法)コラーゲン・ゲル培養キット中に培養した線維芽細胞の上にSSM-1浮遊液を重積する。以上の2方法を行った。本法により悪性黒色腫と間質の浸潤モデルが作成できた。 2. 細胞固定はパラホルムアルデヒドを用い、抗カドヘリン抗体を用いた免疫染色検索を行った。その結果、SSM-1は染色されなかった。同様に初診時の生検材料も染色を行ったが陰性であった。 3. 抗MMP-2,MMP-9の検索も同様に行った。また初診時の生検材料も染色を行ったが、メラニン色素のため判定困難であったため、メラニンの脱色を試みたが不可能であった。 その結果、MMP-9は陰性であったが、MMP-2は腫瘍細胞、線維芽細胞とも陽性を示した。それにより、腫瘍の浸潤には間質、特に線維芽細胞の関与が重要であることが示唆された。
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