Research Abstract |
(1)20歳代の女性(全国6大学の女子大生)約700名を対象に,小学生時・中学生時・高校生時・現在のライフスタイル-主として,生活習慣,栄養摂取,嗜好,歯に対する健康意識ーをアンケート調査した。また,約170名に対しては現在の歯検診も行った。さらに,これらの結果と先行研究の80歳代女性の20歳代時点との調査結果を,特に20歯以上保有者で比較検討した。その結果,現在20歳代の方が,「かかりつけ歯科医院ある」「早期歯科治療を行う」割合が高く,また,「甘い食品」や「間食」に気をつけている者も多いなど,むしろ社会的経済的な生活環境による差がうかがえた。しかし,20歳代の対象者が「80歳代時点で歯が20本あることに自信がある」と答えたのはわずか20%であり,幼児・学童期の歯科保健指導の重要性を確認した。 (2)子供達に好まれている嗜好飲料(清涼飲料,乳性飲料,ジュース,スポーツドリンク,コーヒーなど)のグルコース・シュクロース量を分析し,同一商品の1981年,1985年の成分データと比較した。その結果,糖質量はほとんど変化ないが,シュクロース量の減少がみられた。このことは,砂糖の低減化,低カロリー化,甘味料の普及を反映している。 (3)従来,歯科医師が読み上げ,養護教諭や担任が書き込んでいた健診結果を,健診時に直接パソコンに入力できるソフト"たえちゃんII"を開発した。その結果,集計処理に要する時間と労力の短縮でき,生徒自身も画面を見ることができ,保健指導に活用できることを確認した。また,養護教諭からの反響もあり,有用であると思われる。(東海学校保健学会口頭発表 1997.9)
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