1997 Fiscal Year Annual Research Report
唇裂口蓋裂患者の顎裂部骨移植に対する歯科矯正治療の関連性について -現状分析並びに治療システムの検討-
Project/Area Number |
09672116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大塚 純正 昭和大学, 歯学部, 助教授 (80129816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 兼重 昭和大学, 医学部, 助教授 (50138442)
鈴木 規子 昭和大学, 歯学部, 助教授 (10112731)
平川 崇 昭和大学, 歯学部, 助手 (20266175)
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Keywords | 口唇裂口蓋裂 / 骨移植 / 歯科矯正 / 意識調査 |
Research Abstract |
口唇裂口蓋裂患者の顎裂部骨移植に対する歯科矯正治療の関連性について検討を加えるため、本年度は以下の研究を実施した。 先ず、口唇裂口蓋裂患者の歯科矯正治療、特に骨移植術、に関する保護者ならびに矯正歯科医の意識・考え方を調査する目的で、患者保護者と矯正歯科医に対してアンケート方式による意識調査を行なった。調査対象は、既に骨移植を終了している者47名、骨移植が予定されている者69名、初診患者14名、骨移植不要患者38名、矯正歯科医39名であった。その結果、保護者は、骨移植の必要性をある程度理解しているものの、良くなることに対する期待感と手術に対する不安を抱いていることが分かった。一方、矯正歯科医では、骨移植を勧める立場から、手術結果が期待と外れた場合、患者や保護者に対する説明や再手術を含めた治療方針の見直しなど、術後の対応処置に苦慮している一面が伺われた。 実際の骨移植の結果では、十分な骨架矯形成など満足のゆく結果が得られたものは全体の60%程度であった。結果不良例の主たる原因は、充填骨量の不足、移植部が十分な骨膜被覆を得られていない、過剰な歯列拡大による顎裂部開大、顎裂部に隣接した歯牙の抜歯(埋伏過剰歯、誘導不能歯)や術前の不適切な歯列矯正(移動歯の不十分な歯槽骨支持)などであった。さらに、これら骨移植術時の問題に加え口唇や口蓋閉鎖のための初回手術も顎裂被覆弁の処置などが後の骨移植に影響を及ぼすため、十分考慮して行なわれるべきだと思われた。
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