1997 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的不斉非対称化によるメソエンジオール類のキラル資源化法の開発
Project/Area Number |
09672134
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
廣谷 功 東北大学, 薬学部, 助教授 (70192721)
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Keywords | 触媒的不斉化 / キラルBINAPロジウム触媒 / 天然物合成 / エナンチオ制御御合成 / キラルシクロヘキセノン / キラル合成素子 / メソ化合物 |
Research Abstract |
各種のメソ型エソジオールビスシリルエーテル類についてキラルBINAP-ロジウムの触媒の存在下に1,3-水素移動反応を不斉下に行ないキラルなエノールエーテル中間体を経てキラルな4-ヒドロキシケトン単位とし,これをキラル素子として活用することを目的として研究を行なった.これ迄ビシクロ[2.2.1]ヘプタンおよびビシクロ[2.2.2]オクタンをバックグラウンドに持つ4-ヒドロキシシクロヘキサノンならびに単環性の4-ヒドロキシシクロヘプタンを最高97%eeで得ることに成功した.このうちビシクロ[2.2.1]ヘプタンバックグラウンドを持つキラル化合物は(i)ケトン部周辺へのコンベックス面選択的修飾,(ii)逆ディールス・アルダー反応によるシクロヘキセンオレフィン部の復生,(iii)復生したオレフィン部へのジアステレオ選択的修飾を可能にしている.そこでこれをキラルな4-ヒドロキシシクロヘキサノン等価体として機能させることを検討し,海洋産抗生物質(-)-malyngolideならびにピロリチジンアルカロイド(+)-trachelanthamidineおよび(-)-isoretronecanolをそれぞれ完ぺきなエナンチオ制御下に合成することが出来た.すなわち,ケトン部のコンベックス面選択的還元や求核付加によるエンドアルコールへの変換,あるいはイミンとしてからコンベックス面選択的還元によってエンドアミンへ還元し,さらに逆ディールス・アルダー反応を行なった後にこれらより得られるアリルアルコール単位あるいはアリルアミン単位をアリルアルコール部の特性を反映させるシグマトロビ-転位などを行ない対象物に要求される官能基をジアステレオ制御下に導入し目的を達成した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kou Hiroya: "A New Tactic for Diastereo-and Enantiocontorolled Synthesis of (-) -Malyngolide via Catalytic Meso-Asymmetrization" Tetrahedron Lett.38 (34). 6023-6026 (1997)
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[Publications] Kou Hirata: "An Enantio-and Diastereoselective Synthesis of (-) -Isoretronecanol and (+) -Trachelanthamidine from A Meso Precursor" Heterocycles. (印刷中). (1998)