1998 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的不斉非対称化によるメソエンジオール類のキラル資源化法の開発
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09672134
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
廣谷 功 東北大学, 薬学部, 助教授 (70192721)
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Keywords | キラル合成素子 / キラル4-オキシシクロヘキセノン / キナ酸 / シキミ酸 / エナンチオ制御合成 / コンベックス面選択性 / 逆ディールス・アルダー反応 / ヒドロキシル化反応 |
Research Abstract |
これ迄の研究によってbicylo[2.2.1]heptane骨格をバックグランドに持つメソ対称性のシクロヘキセン-1,4-ジオールビスシリルエーテルの触媒的不斉化反応によってキラルな4-オキシシクロヘキセノンとして機能するキラル合成素子の効率的合成法を確立している.本研究においてはこのキラル素子の機能性を開発する目的でそれら自身天然物であり,植物あるいは菌の生成する芳香族天然化合物の生合成前駆体である2種のカルボン酸(-)-キナ酸および(-)-シキミ酸の効率的な合成法の確立を目的として検討した. まず,(-)-ケトン体をα-カルボメトキシ化し,ついで水酸化反応を行うとコンベックス面選択的に第3級アルコール中心が形成される.アセチル化後,加熱すると逆ディールス・アルダー反応が起こり3置換キラルシクロヘキセノンが得られる.エノン部2重結合へのグリコール化反応はアセトキシ基と同じ面からジアステレオ選択的に起こり4個のキラル中心を含むシクロヘキサノン中間体が得られた. これを共通中間体として両天然物を合成した.まず,水酸基の区別と選択的除去を経て(-)-キナ酸に誘導し,一方,シス-グリコール部の脱水オレフィン化によって2重結合を導入し,(-)-シキミ酸に誘導し,目的を達成した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kou Hiroya: "An Enantio-and Diastereoselective Synthesis of (-)-Isoretronecanol and (+)-Trachelanthamidine from A Meso Precursor" Heterocycles. 49. 33-37 (1998)
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[Publications] Kou Hiroya: "A Concise Enantio-and Diastereo-controlled Synthesis of (-)-Quinic Acid and (-)-Shikimic Acid" Chemical Communications. 2033-2034 (1998)
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[Publications] Kou Hiroya: "Preparation of the Synthetic Equivalnets of Chiral Cyclohexadienone and Cycloheptadienone : The Enantio and Diastereo-controlled Synthesis of (-)-Clavularin B" SYNLETT. 印刷中. (1999)