1997 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム人参の有効成分の化学的研究-抗発癌プロモーター作用の活性構造相関-
Project/Area Number |
09672145
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 和男 広島大学, 医学部, 教授 (00034017)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木島 孝夫 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (80121557)
|
Keywords | ベトナム人参 / Panax vietnamensis / majonoside-R2 / サポニン / 抗発癌プロモーター |
Research Abstract |
ベトナム人参(Panax vietnamensis)のメタノールエキスを、次に述べるin vitro法により、抗発癌活性を測定したところ、100μg/mlあたり38%の活性が認められた。 活性の測定はEBV-EA発現抑制試験を用いた。EBV潜在感染ヒトリンパ芽球様細胞株Raji細胞を用い、TPAによる初期抗原(EA)の誘発率を間接螢光体抗体法により測定し、positive control:n-butylic acid(4m nol)+TPA(32p mol)と比較して、阻害率を算出した。 活性の認められたメタノールエキスをダイヤイオンクロマトグラフィーにより、分画し、粗サポニン分画を得、その活性を測定したところ、10μg/mlあたり74%という強い活性が濃縮されていたことを見出した。 次いで、各種クロマトグラフィーにより分画を繰り返し、得られた7種のサポニン(majonosides-R1 and R2,ginsenosides-Rb1,Rb2,Rd,Re and Rg1)について、活性を測定したところ、majonoside-R2に最も強い活性が認められた。このサポニンは他の人参属の植物にはあまり例のないオコチロール型であり、ベトナム人参の主サポニンで、その含量は他を圧して、生薬乾燥重量の4%にも上るため、本生薬の活性を代表しているものと思われる。 活性の最も強かったmajonoside-R2について、フローサイトメトリー法による分析を行った。上記の培養Raji細胞を洗浄後、分散させ、Triton X-100で処理してろ過して裸核化した試料を集め、RNAaseにより処理してRNAを除いた。その後、DNA染色を行い、FAC Scanにより測定したところ、やはり有意な活性が認められた。 majonoside-R2についてin vivoのマウス二段階発癌抑制実験を行った。ICR雌性マウスを用い、皮膚癌の抑制活性を測定したところ、10,15,20週において、皮膚の乳頭腫をそれぞれ、30,50,80%抑制し、その活性は今まで強い活性が知られているglycyrrhetic acidを凌いでいた。 以上の結果は、Biological Pharmaceutical Bulletinに投稿中である。
|