1999 Fiscal Year Annual Research Report
胆汁酸生合成における炭素-炭素切断反応に関する研究
Project/Area Number |
09672155
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Research Institution | Kyoritsu College of Pharmacy |
Principal Investigator |
森崎 益雄 共立薬科大学, 教授 (30016159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 善徳 東京工業大学, 理学部, 教授 (50173472)
小林 典子 共立薬科大学, 助手 (90245449)
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Keywords | コール酸 / 胆汁酸 / コール酸生合成 / 24-オキソ-THCA / CoAエステル / チオリシス反応 |
Research Abstract |
代表的な胆汁酸であるコール酸の生合成における側鎖部分の変換の最終段階は24-オキソ-3α,7α,12α-トリヒドロキシ-5β-コレスタン-26-カルボン酸(24-オキソ-THCA)のCoAエステル(1)のチオリシス反応であると考えられているが確証はない。今年度はこのチオリシス反応のメカニズムをさらに解明するため有機化学的モデル反応であるチオールエステル類のチオールによるエステル交換反応を行い検討した。チオールエステル交換は求核置換反応により進行すると考えられている。またこの反応には弱塩基性が用いられている。そこで1)反応液のpHの影響、2)基質チオールエステル構造の影響、3)求核剤チオール構造の影響について検討した。反応はTLCで追跡し、酢酸エチル抽出後、シリカゲルカラムで精製して収率を求めた。1)ではデカン酸チオグリコール酸メチル(2)とN-アセチルシステアミン(3)との反応において弱塩基性で水を含む溶媒系を用いると反応性が高まることがわかった。2)では基質チオールエステルに電気的な影響を与えると考えられるエステル基、アセトキシル基、アミド基、フェニル基またはエチル基を2に導入して反応性を調べたところ電子吸引性基がチオールエステルの近傍に存在すると反応が促進されたが、電子供与性のエチル基でも遅いが反応できることがわかった。3)では2と求核剤としてアセとアミド基3、アセトキシル基あるいはエタンチオール、ドデカンチオールを反応させたところ必ずしも電子供与性基の存在が反応を促進させるとは言えない結果となった。
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