1997 Fiscal Year Annual Research Report
プロトンポンプ阻害作用と胃内ピロリ菌生育阻止機能を有する新規抗腫瘍剤の探索研究
Project/Area Number |
09672180
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
佐藤 利夫 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (70075943)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西木 まゆみ 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (40140610)
宮高 秀喜 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (50157658)
松本 仁 徳島文理大学, 薬学部, 助教授 (30109730)
|
Keywords | 抗ストレス腫瘍 / ウレアーゼ阻害 / アレンカルボン酸誘導体 / ヘリコバクター・ピロリ / 除菌 / 腫瘍再発防止 |
Research Abstract |
研究者らは、プロトンポンプ酵素(H^+,K^+-ATPase)及びH.pyloriウレアーゼがともにSH酵素である点に着目し、これら両酵素を強力にかつ不可逆的に阻害することが推測される西置換アレンカルボン酸誘導体をテザイン合成し、その抗潰瘍作用とウレアーゼ阻害活性を検討した。 西置換アレンカルボン酸誘導体の合成は、Lang等の方法に従って合成した。抗潰瘍作用は、ラット水浸拘束ストレス潰瘍により検討し、ウレアーゼ阻害活性は、広く用いられているインドフェノール法で検討したが、溶媒(DMSO)などの影響を強く受けることが判明したので、当研究室で新たに開発された方法により測定した。 構造活性相関の知見を得るため、R_1-R_4を変換して、種々の誘導体を合成し、これら化合物の抗潰瘍作用と新規測定法を用いてウレアーゼ阻害活性を測定した。 抗潰瘍作用において化合物4,5は、シメチジンと同程度の阻害活性を示した。このことは、結合したR_1,R_2による面の固定及び電子吸引性基の導入により阻害活性が強くなることが示唆された。 ウレアーゼ阻害活性は、化合物5が最も強く、同濃度において陽性対照であるオメプラゾール(93.6%)と同程度で、アセトヒドロキサム酸(63.9%)よりも強い阻害活性を示した。また、カルボン酸化合物は、抗腫瘍作用、ウレアーゼ阻害作用共にエステル化合物より阻害活性が低下した。 本研究において合成した四置換アレンカルボン酸誘導体は、すべて医薬品として十分な安定性を有しており、中でも活性の強い化合物4,5はウレアーゼ阻害活性を示す抗潰瘍剤のリ-ド化合物として有用であると考えられた。 化合物4:α一Methyl-γ,γ-diphenylallenecarboxylic Acid Ethyl Ester 化合物5:α-Methyl-γ,γ-di(4-chlorophey1)allenecarboxylic Acid Ethyl Ester
|