1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09672198
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
松島 美一 共立薬科大学, 薬学部, 教授 (60037603)
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Keywords | ピリドキサール / アルジミン / キノノイド / Al(III)キレート |
Research Abstract |
ピリドキサールを補酵素とする酵素,その化学モデル共に,補酵素のアルジミン型シッフ塩基より生成するキノノイド中間体が"the key intermediate"である.金属キレート触媒の化学モデルにおいて光学活性アルジミンよりキノノイド生成を紫外部吸収とともに旋光度,NMR測定により動力学的に追跡した.キノノイドは一般に不安定であるが,Al(III)および同族の3価金属キレートの形で準安定となった.ランタノイド(III)キレートはキノノイドを特徴づける500-nm吸収帯がさらに長波長シフトする現象を見いだした.イオン半径の大きいランタノイド(III)はキノノイドキレートを生成しなかった.アミノ酸よりアミノ酸エステル,アミノ酸アミドのようにカルボン酸が誘導体化された場合がキイノイドキレートは安定であった.CU(II)キレートはジピリジンなどとの混合配位子錯体とすると長寿命になったが,Al(Ill)キレートよりはるかに不安定であった∵種々の光学活性アルジミンのAl(III)キレート化とキノノイド生成段階の反応の旋光度による動力学的測定の結果α-プロトンの脱離とキノノイド中間体生成反応の関係が明らかとなった.ピリドキサミンとα-ケト酸より生成するケチミン型シッフ塩基よりキノノイド中間体,アルジミン型シッフ塩基の生成反応も測定し,整合性ある結論を得た.キノノイドキレートが長寿命になる条件を選定し,分析用HPLCによる分離に成功した.次年度に詳細に研究する予定である.結晶単離は成功していない.
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Research Products
(1 results)