1999 Fiscal Year Annual Research Report
生活関連物質のラジカル生成反応及びその消去活性に関する測定法の開発
Project/Area Number |
09672200
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
中澤 裕之 星薬科大学, 薬学部, 教授 (50150173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 卓穂 星薬科大学, 薬学部, 助手 (80210912)
吉村 吉博 星薬科大学, 薬学部, 講師 (00147894)
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Keywords | フリーラジカル / 生活関連物質 / ESR / スピントラッピング剤 / ラジカルクロマトグラフィー / スカベンチャー / スーパーオキシドアニオン / ヒドロキシルラジカル |
Research Abstract |
発ガン、糖尿病、脳疾患など様々な疾患とフリーラジカルとの関連が指摘されているフリーラジカルの生成や消去において、生活関連物質が大きく関与しており、疾病や予防の面から研究が進んでいる。スーパーオキシドアニオン、ヒドロキシルラジカル等の活性酸素種の作用機構を定量的に解析するには、個々の活性酸素種を精度良く測定する必要がある。活性酸素種等の関与する反応系には複数のフリーラジカルの関与す場合が多く、精度の高い解析法を構築する目的で、各フリーラジカル種の分離に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、フリーラジカルの一斉分離分析を試みた。さらにESRでは微量分析は期待できないために、検出器として電気化学検出器(ECD)を使用し、HPLC/ECD/ESRシステムを構築した。また、フリーラジカル生成法として、アルカリ溶液中、過酸化水素とジメチルスルホキシドによるスーパーオキシドアニオン、ヒドロキシルラジカル及びメチルラジカルの化学的生成法を確立できた。これらを構築したHPLC/ESR/ECDシステムにより3種のフリーラジカルのDMPOアダクトの同時分析ができた。同様にスピントラッピング剤としてPBNを用いた結果、3種のフリーラジカルのPBNアダクトについても良好なベースライン分離が達成された。PBNのアダクトはESRスペクトルでは3種の区別が困難であるため、本システムが有効であった。抗酸化剤としてアスコルビン酸、dl-α-トコフェロール、β-カロチンの抗酸化剤を用いて、本システムによってフリーラジカルのスカベンチャー効果を検討した結果、用量依存性が認められ、それぞれ抗酸化剤の特徴あるスカベンチャー反応がみられた。また、本ラジカル生成システムは水溶性及び脂溶性の物質でも溶解できるため、物質のフリーラジカル消去活性測定として有用と考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Nakazawa,Y.Ichikawa,K.Kato,Y.Yoshimura,K.Tanioka-Man: "On-Line Photostability Evaluation System for Chemiluminescence Detection of Phloxine(R-104)"J.Agric.Food Chem.. 45・12. 4525-4529 (1997)
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[Publications] Y.Yoshihiro,T.Iijima、T.Watanabe,H.Nakazawa: "Antioxidative Effect of Maillard Reaction Products Using Glucose-Glycine Model System"J.Agric.Food Chem.. 45・11. 4106-4109 (1997)
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[Publications] Y.Yoshimura,T.Inomata,H.Nakazawa: "Free radical formation of P-nitrophenacyl esters of carboxylic acids and their detection by high-performance liquid chromatography with electron spin resonance"Anal.Lett. 31・13. 2299-2307 (1998)
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[Publications] Y.Yoshimura,T.Inomata,H.Nakazawa,H.Kubo,F.Yamaguchi,T.Ariga: "Evaluation of free radical scavenging activities of antioxidants with H_2O_2/NaOH/DMSO system by electron spin resonance"J.Agric.Food Chem.. 47・7. 4653-4656 (1999)
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[Publications] Y.Yoshimura,T.Inomata,H.Nakazawa: "Simultaneous detection of superoxide anion,hydroxyl radical,and methyl radical by use of higt performance liquid chromatography-electron spin resonance"J.Liq.Chrom.&Rel.Technol.. 22・3. 419-428 (1999)
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[Publications] F.Yamaguchi,Y.Yoshimura,H.Nakazawa,T.Ariga: "Free radical scavenging activity of grape seed extract and antioxidants by electron spin resonance spectrometry in an H_2O_2/NaOH/DMSO system"J.Agric.Food Chem.. 47・7. 2544-2548 (1999)