1997 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウムポンプ型NADH-キノン・リダクターゼ複合体の構造と機能解析
Project/Area Number |
09672213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
畝本 力 千葉大学, 薬学部, 教授 (30089601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 万喜 千葉大学, 薬学部, 助教授 (50092086)
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Keywords | Na^+-translocating / NADH-quinone reductase / nqr gene / vespiratery chain / Na^+ pump / Vivric alginalyticus / marine bacteria / over expression |
Research Abstract |
本年度は海洋細菌Vibrio alginolyticusの呼吸鎖に存在するナトリウムポンプ型NADH-キノン・リダクターゼ(NQR)複合体の分離・精製について,遺伝子解析の結果から判明した6種のサブユニットの存在の確認を重点に研究を進めた.すでに,3種類のサブユニットについてアルファーはNqr1,ベータはNqr6,ガンマーはNqr3に対応する事を明らかにしている.他の3種類のサブユニットは遺伝子解析の結果から極めて疎水性の高い蛋白質である事が判明した.これらの蛋白質はSDS-ゲル電気泳動で移動度が異常で,染色性も悪い事が予測された.そこで,電気泳動前の加熱処理および蛋白質染色法を種々検討した結果,メルカプトエタノール中での加熱処理を除き,染色は蛋白質を固定処理後に行う事により,疎水性蛋白質の染色性が向上した.この方法によって精製したNQR複合体に他のサブユニット,Nqr2,Nqr4およびNqr5の存在を確認する事が出来た.これらの各サブユニットはN末のアミノ酸配列分析によって確認し,また遺伝子上の各サブユニットのOpen Reading Frame(ORF)についても実験的に確認する事が出来た.これらの実験結果より,NQR複合体は遺伝子上でNQRオペロンを構成する6種類のサブユニットで構築されることが確認された.また,組成比についてはNQR複合体の分子量から推定して,各サブユニット-分子宛で構成されると予測された.これと平行して大腸菌を用いた各サブユニットの大量発現系を構築するために,種々の組み合わせのサブユニット遺伝子をpET29ベクターに導入した.これらのプラスミドを用いてすでに大腸菌でのNQRサブユニットの発現を確認できたが,今後これらサブユニットの精製法および再構成による活性の確認と機能解析に進めていく.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Hayashi, J.Fujii and T.Unemoto: "Genetic defect of the sodium pump-defective mutant Nap-1 from the manne Vibrio alginolyticus." Biochemistry and Molecular Biology International. 41・1. 41-47 (1997)
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[Publications] Y.Nakayama, M.Hayashi and T.Unemoto: "Identification of six subunits constituting Na_+-translocating NADH-quinone reductase from the marine Vibrio algynolyticus." FEBS Letters. 422. 240-242 (1998)